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(画像=fizkes/Shutterstock.com)

AR/VRが築く不動産の次世代ビジネスモデル

デジタル革命が進む不動産分野で、AR/VR(拡張現実/仮想現実)に特化した商品やサービスが、既存のビジネスモデルを創り変えようとしています。「不動産の未来を創る」と期待されている、AR/VRの活用事例や今後の課題などを紹介しましょう。

AR/VRが不動産分野のデジタル革命に欠かせない理由

設計から開発、売買まで、不動産はビジュアル的な要素が欠かせない分野です。長年にわたり建物のイメージを伝える手段として、図面やイラスト、写真といった2Dがベースでした。

しかし近年は、ビジュアライゼーション(視覚化)に重点が置かれ、3Dモデリングや動画が主流となりつつあります。ARとVRは、ビジュアライゼーションをさらに進化させ、建築・設計プロセスと仲介業務の効率化、顧客体験の向上に役立つ技術として注目されています。

AR/VRを利用した仮想空間は、建物のイメージや関連情報がよりリアルにわかりやすく伝わるほか、インターネットやデバイスなどの利用環境が整っている場合、自宅や職場など好きな場所からアクセスできるなど、利便性が高い点も魅力です。

また下記の事例で詳しく説明しているように、国境を超えたリモートによる物件下見やAR/VR建築・設計シミュレーションなどが可能になることで、不動産業者や開発者、建築業者、買い手、売り手など、不動産の建築や売買にたずさわるすべての人々が、時間や労力、コスト削減といった恩恵を受けると期待されています。

世界で始まっている不動産デジタル革命、3つの事例

すでに実用化が始まっている不動産関連のデジタル革命について、3つの事例を紹介します。

事例1:3DのVR空間でリモート物件下見

この分野で最も採用が活発化しているのは、3DコンテンツやVRを利用した「リモート物件下見」です。例えば、世界中の高級不動産を取り扱うサザビーズ・インターナショナル ・リアルティは、ウェブサイト上で3Dツアーを提供しているほか、VRヘッドセットを所有している顧客はiPhoneやAndroidを利用して、まるで実際に物件を訪れているかのようなリアルな体験ができます。

現地での下見が不要になり、遠隔地からもリアルな「物件」を見ることができるため、海外の不動産購入を検討する人も増えるのではないでしょうか。

事例2:スマホ片手に散歩中に物件探し「ARアプリ」

不動産業者に連絡する手間なく、興味のある物件に関する詳細を知ることができるバイヤー向けARアプリが続々と登場しています。

米国でオンライン不動産業を展開するRealtor.comは、スマホを特定の物件に向けると価格や面積などの情報が表示されるARアプリ「Street Peek」や、売り家・貸し家の看板をスマホで撮影するだけで、物件の情報にアクセスできるアプリ「Sign Snap」などを提供しています。散歩のついでに家探しもできる手軽さがユーザーに支持されています。

事例3: AR/VRで3Dアーキテクチャの視覚化を実現

AR/VRを顧客体験の向上や建築・設計プロセスの効率化に役立てる動きも、活発化しています。

米国のAR/VR関連制作、開発会社であるAVRspotは、外装・内装テンプレートを既存の建物や周辺環境の画像と重ね合わせることで、仮想空間に新しい建物を簡単に疑似建築できるソリューションを提供しています。建築家は新しい建物を簡単に設計できるほか、買い手は完成図を具体的にイメージしやすくなります。

イスラエルを本拠に3DやAR、AI、コンピュータービジョンなどの技術を提供するAstralinkのソリューションは、完成後の建物を視覚化することで、建設作業員の作業ミスを軽減する品質保証プラットフォームを提供しています。

また設計図や画像などの2DデータをVRコンテンツに簡単に変換できる「Storyboard VR」のようなツールも登場しているため、3DやVRの知識がなくても利用が可能です。

AR/VRにより不動産市場は拡大の可能性。顧客とのリアルな関係性構築が課題か

このようなAR/VRを使った商品やサービスの普及は、不動産投資の市場をより幅広い層にアピールし、参入しやすくするものと予想されます。それは、よりリッチでリアルなコンテンツにより、顧客が気軽に不動産情報にアクセスできるだけではなく、業務の効率化や労力・コストの削減により、仲介料の値下げにもつながるからです。

不動産業者にとって今後の課題は、人間の関わる部分が少なくなることでサービスが無機質なものにならないよう、人の温かさを感じさせるコミュニケーションを強化し、カスタマーエンゲージメント(顧客との関係性構築)を高めることではないでしょうか。

また、AR/VRの普及が拡大するほど、ライバルとの差別化が重要になります。他社にはない革新的かつ質の高いサービスの提供が、市場をリードするカギとなりそうです。

※上記文中の個別企業はあくまで事例であり、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。

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