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毎月分配型投資信託の分配金の使い道を深掘り
(画像=tadamichi/stock.adobe.com)

毎月分配型投資信託の分配金の使い道を深掘り

投資信託の中には、毎月決算型で毎月分配金を出している投資信託があります。継続的に利益が入ってくるように見える金融商品ですが、実際はどうなのでしょうか。本記事では、分配金の特徴について解説した上で、毎月分配金を出す投資信託の使い道について考察していきます。

分配金の特徴

投資信託の分配金について、「普通分配金と特別分配金の違い」と「基準価額への影響」に分けて解説します。どちらも損益に関わる内容なので、投資信託に投資する前に知っておきたい分配金の特徴です。

普通分配金と特別分配金の違い

分配金には、運用成果(運用益)を投資家に還元する普通分配金と、元本部分を取り崩して配分する特別分配金があります。運用益が出ていなくても分配金を支払う場合、元本を取り崩して支払うことになります。元本の払い戻しとして扱われるので、特別分配金は非課税になります。

分配金の支払い方法や金額は決算時にファンドが決定するので、分配金は事前に確定したものではないことに注意が必要です。本記事で紹介している毎月分配金を出す投資信託も、決算を通じて分配頻度や金額などが変わる可能性があります。

基準価額への影響

諸費用を控除した後の元本(純資産額)を投資されている口数で割ったものが基準価額です。

分配金は投資信託の信託財産から支払われるため、分配金が支払われると純資産総額(※)が減少し、基準価額が下落することがあります。実際の基準価額は日々変動しているので、分配金が支払われた影響で必ず下落するわけではありません。

(※)信託財産(投資信託が保有する株式などの資産)の時価評価額から信託報酬や取引コストなどの費用を差し引いた額のこと。

分配金の使い道

ここからは、分配金の使い道を3つに分けて紹介します。

使い道1.同じ投資信託に再投資する

受け取った分配金を再び同じ投資信託に投資することで、複利効果が期待できます。複利は長期で運用することによって効果を発揮するので、長期投資を行う際は複利効果を意識しておくことで、パフォーマンスが向上するかもしれません。

なお、同じ投資信託に継続して再投資する場合は、同じポートフォリオで運用されている投資信託があれば、再投資コースのある投資信託への投資も検討してみましょう。

また、再投資しかしないつもりであれば、決算時に分配金を受け取らずに、運用を継続するコースのファンドを購入するほうが、より複利効果が効きやすいと言われるので、決算回数が少ないファンド(コース)があるかどうかも調べて検討してみましょう。

使い道2.別の投資対象に投資する

分配金を使って再び投資する場合は、同じ投資信託である必要はありません。日々変化する投資環境を踏まえ、投資対象の資産が異なる投資信託や、株式や債券、不動産などの資産に分散投資するといった選択肢もあります。

使い道3.分配金を生活費に回す

毎月分配金を受け取れている場合、家計の収支が予測しやすくなるため、生活費に充てやすくなります。ただし、投資信託の分配金だけで生活しようとすると、運用成績などに左右される可能性があるため、給料や年金、その他の収入と組み合わせることが大切です。

毎月分配金を出す投資信託が適した運用方法

ここからは、具体的な運用方法を2つ紹介します。

運用方法1.資産を取り崩すフェーズに威力を発揮する

投資信託協会の「2018年度投資信託に関するアンケート調査報告書」によると、投資信託保有者の約半数は60代以上の高齢者であるという調査結果があります。この世代の方々は年金以外の収入状況や貯蓄程度はさまざまですが、資産を取り崩しながら生活している方が多いでしょう。

定年退職している場合は、定期的な収入が年金のみになる可能性があるので、毎月の分配金を生活費に充てることで貯金や退職金を取り崩す必要がなくなるかもしれません。

また、運用成績次第にはなりますが、預貯金のまま資産を保有しているよりもインフレ対策になるといえます。預貯金だけではインフレよって資産価値が相対的に下落していきますが、投資信託などで運用しておくことで、資産価値の減少を抑えられる可能性があります。

実際に運用する場合は、インフレに伴って価値が上昇しやすいものが組み込まれている銘柄を選ぶことが大切です。

ただ、分配金の水準によっては、徐々に元本が切り崩されていっている可能性もありますので、常に元本がどの程度あるのかの確認は怠らないようにしましょう。

資産状況やライフスタイルに合わせて柔軟に活用する

給料とは別に手元の現金を定期的に増やしつつ資産運用を行いたい場合に、毎月分配金を出す投資信託への投資を検討してみましょう。

例えば、突発的に発生する医療費や車の修理、冠婚葬祭費などの出費のために生活防衛費(※)を充てたくない場合、その出費を支払うための資金として活用できます。利用用途がなくなった場合は、投資資金として活用する使い道もあります。

(※)病気やけがなど、予測ができない事態に備えておくお金のこと。一人暮らしの場合は、一般的に生活費の3ヵ月〜半年程度が好ましいといわれている。

ただ、こちらの場合も分配金の水準によっては、徐々に元本が切り崩されていっている可能性もありますので、常に元本がどの程度あるのかの確認は怠らないようにしましょう。

まとめ

毎月分配金を出す投資信託は、分配金によって純資産総額が目減りしていく可能性があります。そのため、基準価額だけではなく、分配金を含めたパフォーマンスに目を向けることが大切です。

ご自身の投資目的や運用方針などに照らし合わせて、分配金の使い道を検討してみましょう。

※本記事は資産運用に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資信託の売買や資産運用を推奨するものではありません。

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