40代になって、「本格的に資産形成をしよう」と思い立った人もいるのではないでしょうか。今回はそのような人に向けて、資産形成のポイントとおすすめの資産形成方法を紹介します。
目次
資産形成の第一歩は、現状を把握することです。まずは現状を把握し、将来に必要となる金額をリサーチして「そのギャップを埋めるためにはどう資産形成をすればよいか?」という順番で考えることが重要です。
現在の保有資産を棚卸ししてみましょう。銀行口座や証券口座をたくさん持っている人は、自分の保有資産を把握していないものです。一度エクセルなどに書き出してみましょう。
その際、できる範囲で時価と借入金も調べましょう。総資産額と借入金額がわかれば、純資産額を計算できます。法人の決算書類である貸借対照表(B/S)の個人版を作るイメージです。
次に、老後に入ってくる金額を確認しましょう。具体的には退職金や年金です。
退職金は、勤務先の退職金規程で確認するか、担当者に直接聞いてみてもよいでしょう。公的年金は、日本年金機構が提供している「ねんきんネット」を使えば、いつでも自分の将来の年金見込額を確認できます。年金保険に加入している場合は、改めて契約内容を確認しておきましょう。
ここまでで、現状把握ができたはずです。ここからは、今後必要になる金額について見ていきましょう。
子どもがいる家庭の場合、教育費は大きな支出項目の一つになります。子どもの学校教育および学校外活動のために1年間で支出した経費の実態をとらえる「子供の学習費調査」(令和元年12月18日 文部科学省 発表)によると、「学習費総額」は以下のとおりです。
公立幼稚園 22万3,647円
私立幼稚園 52万7,916円
公立小学校 32万1,281円
私立小学校 159万8,691円
公立中学校 48万8,397円
私立中学校 140万6,433円
公立高等学校(全日制) 45万7,380円
私立高等学校(全日制) 96万9,911円
また、日本政策金融公庫が令和2年3月11日に発表した令和元年度「教育費負担の実態調査結果」によると、大学に進学した場合の入学金は82.8万円、1年間の在学費用は151.9万円です。国立大学に進んだ場合はもう安くなりますが、理系に進んだ場合はもっと高くなります。
必要な老後資金は、各家庭の生活水準や理想の老後生活によって大きく変わりますが、総務省が発表した「家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年) 平均結果の概要」をもとに、老後30年間で必要になる金額を計算してみましょう。
総務省が発表の資料によると、毎月の不足分は3万3,269円。30年で約1,200万円が不足することになります。
毎月の不足分33,269円×12ヵ月×30年=1,197万6,840円(約1,200万円)
なお、上記の家計調査データには介護が必要になった場合の介護費や葬儀代などが入っていないため、実際はもっと多くの金額が必要になると予想されます。
ここまで、現状把握と今後の必要金額について見てきました。これらの差額が「最低限準備すべき金額」です。ここからは、40代の資産形成におすすめの方法を紹介します。
結論からいうと、「積立投資」がおすすめです。積立投資とは、定期的に(毎月など)一定額をコツコツと積み立てていく投資方法です。
通常の証券口座で積立投資をしてもよいのですが、せっかくであれば効率的に積み立てたいものです。そこで押さえておきたいのが、「iDeCo」と「つみたてNISA」です。
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)は、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金制度です。60歳になるまで資産を引き出すことができないというデメリットがありますが、「掛金」「運用益」「給付」において税制上の優遇措置があります。
40代であればリタイアまである程度の時間があるため、ある程度のリスクを取って運用することをおすすめします。株価指数に連動するインデックスファンドなどで、毎月コツコツ積み立てるとよいでしょう。
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。新規投資額は毎年40万円が上限で、非課税投資枠は20年間(最大800万円)。購入した年から数えて20年間は、保有している間に得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)に税金がかかりません。
つみたてNISAはiDeCoと違って、購入金額を所得から差し引くことはできませんが、いつでも解約できます。資金の流動性を保つことは資産管理において重要なので、iDeCoと組み合わせて活用するとよいでしょう。
40代になって「本格的に資産形成をしよう」と思い立った人に向けて、資産形成のポイントとおすすめの資産形成方法を紹介しました。
大切なのは目的を持ち、目標を定めることです。「なぜ資産形成が必要なのか?」という問いに対する答えを改めて確認した上で、資産形成を賢く進めていきましょう。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。