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中長期運用を成功させる投資信託の選び方3つのポイント!

前回は投資信託のメンテナンスの重要性ついてお届けしました。これまで投資信託を核とした資産形成の考え方についてお届けしてきましたが、今回第20回目を最後に、投資信託を中長期で保有し続けて成功するためのポイントを総括します。

中長期運用をする上での投資信託の選び方3つのポイント

(1)「今流行っている」だけで投資信託を選んでいないか?

長期投資で重要なのは、「人気があって盛りあがっているからなんとなく良さそう」では失敗します。相場が盛り上がって高いときに買うのでなく、「安い時に多く買う」ことが好結果に繋がるケースが多いのです。

投資信託には「5G関連」「環境関連」など、相場のトレンドに合わせたテーマ型の投資信託が存在します。当然これらの商品が悪いというわけでなく、本当に中長期で保有し続けることができる投資対象か?今だけ話題になりそうではないか?あまり自分はメンテナンスに時間が掛けられないのに定期的にウォッチする必要がある投資対象に投資をしようとしてないか?など、自分自身が中長期で運用することができるかどうかが重要です。

(2)純資産総額が増えている投資信託かどうか?

ファンドの運用資産の残高である純資産総額が増えている投資信託や残高水準が多い投資信託は長期投資にふさわしいと考えていいでしょう。ただ、あまりにパフォーマンスが良いと利益確定売りの対象となり、残高が減少することも起こり得るため、運用の中身に目を向けましょう。

(3)パフォーマンスがしっかり出ているか、コストだけ高くないか?

信託報酬などのコストは、長期投資であればあるほど重要になってきます。運用成果と同じように、コストも複利の効果が働きます。大きいファンドも小さいファンドも基本的な人件費や事務費は一緒です。ファンドが大きくなるとコストを下げることも可能となります。ここで述べたいのは「コストが低いから良いファンドである」ということではありません。アクティブファンドにおいて、高いパフォーマンスを出すためにはリサーチ等の様々なコストが掛かります。一番大事なことは、パフォーマンスがしっかり出ており、それに見合ったコストかどうかという点です。

中長期運用で気をつけたい3つのポイント

中長期の投資に良さそうだと色々調べて投資を始めたものの、運用を続けていく中で投資信託にも様々な変化があります。どのようなポイントを意識すればよいかを紹介します。

(1)今の運用目的・方針に合致しているか?

連載2回で「GBAアプローチ」について紹介した中で、自分自身のゴールから逆算した投資を始めることを勧めました。さらには、連載15回、16回ではライフイベントが移り変わる中で投資方針も変えることの重要性をお伝えしました。自分が置かれている環境や目的は、時間の経過とともに変わります。当初の目的と今現在の目的にズレがないか、もしズレがあるようなら投資している投資信託も見直しを考えましょう。

また、例えば積極的に利益を狙うためにアクティブファンドに投資をしたい人は、「ちょっとくらいコストは高くても、リスクを取ってリターンを狙いたい……」そんな気持ちで始める人が多いのではないでしょうか? にもかかわらず、インデックス投資に近い運用成果だった場合はどうでしょうか?ご自身の投資方針とは異なる結果になっている可能性もあります。
運用経過を見る中で、自分が期待した投資方針に沿って運用しているかも確認しましょう。

(2)目先の相場変動一喜一憂していないか、怖くて売却しようとしていないか?

相場には山のタイミングもあれば、谷のタイミングもあります。連載第4回で解説したように、「相場が下落したから怖くて売りたい」といったように相場に振り回されているようでは中長期投資は成功しません。

(3)自分が理解できる商品に投資をしているか?

投資信託には様々な種類があることを連載第5回、10回ではお伝えしました。ある人にとっては良い商品が自分にとっても良い商品であるとは限りません。自分の投資方針や投資知識によっても異なります。自分が何に投資をしているのかをしっかり把握しましょう。自分がよくわからない商品には手を出さないというスタンスも投資家には必要です。

中長期運用は「積立投資」「分散投資」を意識しよう

本連載を通じて、投資は中長期で継続することが重要であることを一貫してお伝えしてきました。その選択肢として「積立投資」について改めて紹介します。積立投資で資産運用を継続することで、複利の効果が期待できます。一定額を一定期間ごとに買い続ける「ドルコスト平均法」を通じて、結果的に下落時の購入口数が多くなり、相場が戻った時に効果が発揮されやすくなるでしょう。相場が下がっているときも自動で買付けしてくれるので「心理的に怖くて買えない」ということもなくなります。税制優遇があり、積立投資ができる「つみたてNISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金」について、もう一度振り返りたい方は連載第6回で詳しく紹介しておりますのでご覧ください。

それから「世界への分散投資」も意識してください。なぜなら、日経平均株価はいまだ1989年の平成バブルに付けた過去最高値を更新できていませんが、NYダウはブラックマンデーやITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなど、株価暴落を何度も経験しながらも、そのたびに指数は高値を更新し続けているからです。

「色々選べない!」という人はまずはインデックス投資から

自分で世界分散投資するのが不安であるならば、海外株を含めた投資信託で分散投資するのがよいでしょう。例えば米国なら人口は増加トレンドで、日本よりも経済成長が期待できます。米国株は年平均で約7〜8%上昇しています。そしてなにより、アップルやアマゾンといった次世代のプラットフォーマーとして巨大化している企業を多く抱えている点も魅力的です。

米国以外でも中国は日本を遙かに凌ぐ成長率です。日本株だけに投資をしていたら、米国や中国の成長による株価の上昇を取り込むことができません。それが、世界株に連動するインデックス投資信託や世界株で運用するアクティブ投資信託を重要な選択肢と考える理由です。海外の指数も合わせて分散投資をすることで、集中リスクを避け、安定した好パフォーマンスが期待できることでしょう。

中長期投資資産形成の一歩を踏み出そう

これまでの連載で、投資信託を通じた資産運用をする際に知っておきたい一通りの基礎知識をお届けてしてきました。これからはいよいよ自分で投資信託を選び、資産運用を実践するときです。一度身に付けた金融リテラシーは一生の財産になるはずです。お付き合いいただきありがとうございました。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません

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