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(写真=ESB Professional/Shutterstock.com)

「将来有望な職業」データ・クランチングに必要とされる意外なスキルとは?

ビッグデータ全盛の今、「将来有望な職業」として注目を集める、データ・クランチング(Data Crunching)。データ・サイエンス分野において重要な役割を担う作業ですが、「データ・サイエンスは理数系」というイメージを覆す、意外なスキルが重視されています。

複雑かつ膨大なビッグデータの活用がイノベーションを生む

「ビッグデータという言葉をよく聞くが、正確に何を指すのかよく分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。データ・クランチングが何かをご理解いただくために、まずはビッグデータについて簡単にご説明しましょう。

第4次産業革命の主要分野の1つであるビッグデータは、従来のデータ処理ソフトウェアでは管理や分析が困難とされる、複雑かつ膨大なデータ群を意味します。ビッグデータには、リアルタイムで得られる情報やストリーミングなど、発生頻度の高い新鮮なデータや、音声や映像を含むさまざまな種類・形式のデータが含まれます。

近年は、このビッグデータを有効利用することで、これまで取り組むことができなかったビジネスや社会問題の解決の糸口を発見したり、革新的なシステムやアイデアを得られる可能性が期待されています。

ビッグデータの処理で重要なカギを握る、データ・クランチング

そもそもデータは単なる数字の羅列であるため、意味のあるインフォメーション(情報)に変換することで、初めて真の価値が生まれます。つまり、膨大な量のデータを保有しているだけでは、有効利用はできないということです。

そこで、大量のデータをできるだけ早く処理し、意味のあるインフォメーションに加工する作業が必要となります。この重要な作業が、データ・クランチングです。

例えば、生徒一人ひとりのテストの点数は「データ」、このデータに基づき、データ・クランチングで算出したクラスあるいは学年の平均点は、「インフォメーション」ということになります。

数字を情報に変換するため、データ・クランチングは「ナンバー ・クランチング(Number Crunching)」とも呼ばれています。職業としては、データ・アナリストやデータ・サイエンティストの職務の一部に含まれることが多いようです。

データ・クランチングに必須の意外なスキル

一般的には「データ関連の仕事は理数系」というイメージが強いと思います。しかし、データ分析やデータ・サイエンス、データの視覚化といった、技術的スキルの需要が急激に拡大しているのと同時に、「データ・クランチングの技術者には、ライティングやリサーチスキル、創造性などが、他の職業よりも強く求められている」という、意外な調査結果が報告されています。

この調査は、米市場分析ソフト企業バーニング・グラス・テクノロジーズ(Burning Glass Technologies)が、雇用市場におけるデータサイエンス・分析スキルの需要を探る意図で、IBMおよび米ビジネス・高等教育フォーラム(BHEF)のために実施したものです。

さまざまな分野の雇用主に「重視するスキル」を質問したところ、幅広い分野で重視される創造性やライティングなどの特定のビジネススキルや能力が、ビッグデータ分野では特に重視されることが明らかになりました。以下は、3つのスキルに関して、雇用主が「重要」と答えた割合です。

・創造性
全体 6%、ビッグデータ分野 9%
・ライティングスキル
全体 22%、ビッグデータ分野 27%
・リサーチスキル
全体 10%、データサイエンス分野 29%

この他にも、「問題解決能力」や「チームワーク」に関しても、同様の傾向が報告されています。

「統計」から「価値を創出」するためのツールに

調査結果は、ビジネスケースへの適用範囲の拡大にともない、ビッグデータの仕事から統計の要素が占める割合が減り、代わりにデータの意味を理解し、そこから価値を創出するスキルと能力が求められていることを示しています。

データから情報というストーリーを生みだす上で、創造性は欠かせない要素です。創造性が高まっている時ほど、思いがけないアイデアや解決策がひらめきやすいものです。実際、偉大なる理論物理学者アルベルト・アインシュタイン博士も、バイオリンの演奏にインスピレーションを見出したといいますが、データ・サイエンスにも同じことが言えます。

データから正確かつ有益な情報を引きだすためのリサーチスキル、素晴らしいストーリーを書き留めるためのライティングスキル、仕事の質を高めるためのチームワークなども、データを有益な情報に変換するために必須の要素とされています。

先端テクノロジーの領域でも、創造性やチームワークなど人間特有の能力が必要とされることは、どことなく安心感を得られる事実ではないでしょうか。

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