仕事をリタイアしたあとの老後は、自分の好きな趣味を存分に楽しみたい、夫婦でゆっくり過ごしたい、と考える人が大半のようです。あなたはもう既に、これを是非してみたい!という趣味を見つけられたでしょうか?今回はシニアにどのような趣味が人気かご紹介していくとともに、ちょっと気になる老後資金の準備についてもお話ししていきます。
老後を心豊かに過ごすためには
仕事をリタイアしたら何か趣味を始めよう!と漠然と考えてはいても、いざその時になるとやりたいことはなかなか見つからないものです。もちろん現役時代からの趣味をもっと楽しむという方法もありますが、シニアにはシニアならではの趣味があります。たとえば健康維持や認知症防止のためのもの、老後の生きがいとなるものや実益を兼ねたものなど、その種類は多種多様です。
今の自分が多趣味だからそれを延長すればよいというものではなく、心も体も生活様式も変わっていくことを意識しましょう。そしてそれは自分だけではなく、パートナーも同じです。老後を夫婦で楽しんでいこうと思うのであれば、お互いの心と体の変化にも気を配りましょう。
老後を安心して心豊かに過ごすためには、与えられた時間を自分(夫婦)の体調や生活に合わせて、無理せずに楽しんでいくことが大切なのです。
老後の生活の楽しみ方
それでは実際にはどのような趣味がシニアに人気なのでしょう?いくつかみていきましょう。
・ウォーキング
リタイアを機に、夫婦でウォーキングを始めるシニアがとても増えています。激しい運動はかえって身体によくないので、目安は1日8,000歩。会話を楽しみながら、ゆっくりと歩くのが長続きの秘訣です。適度な運動量のウォーキングは、健康維持や認知症の予防に効果的といわれています。
・旅行
夫婦で楽しむ老後の趣味で、一番の人気だといわれるのが旅行です。海外や国内など旅行先次第で費用はかかりますが、パートナーと共有できる思い出が残ります。旅行は行く前から計画自体を楽しめるだけではなく、帰ってきてからも家族や友人におみやげをプレゼントするなど、旅行後にも楽しみが待っています。
・読書
読書は毎日する趣味ではなく、状況によって楽しむ趣味としてはいかがでしょう?たとえばウォーキングなどは、天候によってはできない日もあります。寒さの厳しい冬などは、外出自体がストレスになってしまうでしょう。そのような時には自宅でお茶やコーヒーを楽しみながら、ゆっくり読書することがおすすめです。本も購入するばかりではなく、図書館を利用すれば費用もかかりません。
・カラオケ
カラオケの魅力は、思い切り声を出すことによってストレスの発散になることです。昼間の時間は料金が安くなっている場合が多く、お店によってはシニア割引も設定されています。夫婦やグループで、リーズナブルに楽しむには最適な趣味でしょう。現在は新型コロナウイルスの感染拡大により大人数での利用は控えた方がよいですが、コロナ収束後の楽しみにとっておくのも、自宅でカラオケアプリなどを使って練習しておくのもよいでしょう。
老後を楽しめるかどうかは準備で決まる
挙げ始めればキリがない老後の楽しみですが、反面、気になるのはやはり資金です。老後を楽しむといっても、何よりまず生活を安定させることが先決といえます。
政府がまとめたデータによれば、世帯主が65歳以上の高齢者世帯が1ヵ月に支出する費用の合計は約26万円です。この中にはお小遣いも含まれてはいるものの、年金を含めた老後の収入は1ヵ月平均約21万円といわれています。このデータでは毎月5万円ほどの不足分が出る計算になりますが、趣味を楽しんでいくためにはこの不足分を埋めることを考えなくてはなりません。そしてその準備は、早いほどいいのです。
老後資金を準備するには
年金収入と支出の不足分を捻出するためにパートやアルバイトに出るのでは、何のために老後の楽しみを考えているのかわからなくなります。ここは自分自身ではなく「お金自身に働いてもらうこと」、つまり投資を考えてみてはいかがでしょうか?
投資といっても「少額」と「分散」を心がければ、危険なものではありません。たとえば「NISA」や「つみたてNISA」、「iDeCo」による税制優遇を利用してみるのもよい方法です。
・NISA
自己資金を株や投資信託などで運用する場合に最適な制度が、少額投資非課税制度(NISA)です。NISA口座で購入した金融商品(毎年120万円まで)から得た利益が、投資を開始した年から最長で5年間非課税となります。通常、金融商品から得られた利益には20.315%の税金が課せられますが、NISA口座を利用すればその分の税金はかかりません。
・つみたてNISA
つみたてNISAは、長期の積立投資や分散投資に適した制度です。つみたてNISAを利用して積立投資をした場合、年間40万円までは投資額に対する利益が、最長で20年間非課税となります。たとえば毎年40万円の投資を20年間継続したとすると、最大800万円の資金を非課税で運用できることになります。
・iDeCo
老後のための資産形成に最適といわれているのが、個人型確定拠出年金のiDeCo(イデコ)です。iDeCoには3つの税制優遇があります。まず、iDeCoの掛金(積立金)は、全額が所得控除の対象です。またiDeCoの運用で利益が出た場合(運用益)も非課税となります。3つ目は受取時の優遇です。iDeCoは60歳から受け取れますが、年金として定期的に受け取る方法であれば「公的年金等控除」の制度が適用され、一時金として受け取れば「退職所得控除」の対象になります。
NISAやつみたてNISAでも運用益は非課税ですが、iDeCoではそれに加えて所得控除も受けられる点がメリットです。
必要なのは念入りな準備
2019年、豊かな老後を過ごすには2,000万円の資金が必要だと金融庁が発表し、年金だけでは暮らしていけないのか?ということが社会問題となりました。2,000万円が本当に必要な資金かどうかは別としても、このような大金を貯蓄するのは容易ではありません。また、貯蓄するだけでしっかりと管理しないと枯渇してしまう可能性も考えられます。旅行などの趣味を楽しみながら老後を心豊かに過ごすために大切なことは、今まで懸命に貯めた「お金自身に働いてもらうこと」ではないでしょうか?
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※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。