ホーム > 投資の未来 > コロナから生まれたトレンド「ハイテクマスク」 翻訳機能からヘルスモニタリングまで
(画像=new-africa/stock.adobe.com)

コロナから生まれたトレンド「ハイテクマスク」 翻訳機能からヘルスモニタリングまで

新型コロナウイルスの感染拡大による世界的なマスクの需要拡大を見込み、テクノロジーとユニークなアイデアを組み合わせた「ハイテクマスク(High Tech Face Mask)」が生まれています。

新型コロナウイルスなどの初期症状を検知するために、体温や心拍数などを測ることができるマスクや、8ヵ国対応の翻訳機能付きマスクなどを含め、最新のマスク市場の動向を見ていきます。

2020年、マスク市場は約8兆円規模に成長?

2020年の世界のマスク市場は多くの国で品切れが続出するなど、記録的な売上となりました。

インドの大手コンサル企業Wise Guy Research Consultantsは、世界のマスク市場(医療用、工業用などを含む)の2020年の売上高は前年比153.1%増の、総額72.4億ドル(約7兆5,690億円)に達すると予想しています。

Withコロナのトレンド?ハイテクマスク4選

マスク市場の急拡大を受けて、「ワンランク上のマスクが欲しい」という消費者をターゲットに開発されている商品が、電子マスク(Electronic Face Masks)やスマートマスク(Smart Mask)とも呼ばれるハイテクマスクです。4つの注目商品をご紹介します。

1. 翻訳、テキスト化機能付きスマートマスク「C-FACE」

パンデミックでリモートワーク化が進み、プライベートやビジネスにおけるコミュニケーション手段が大きく様変わりした今、より効率的で手軽に利用できるコミュニケーションツールが求められています。

日本のロボットベンチャー企業のドーナッツ・ロボティクスが開発した、世界初のスマホ連動型マスク「C-FACE」は、装着すると内蔵マスクが音声を読み取り、スマホのBluetoothを通して翻訳やテキスト化ができるという優れものです。

日本語、英語、中国、韓国、フランスなど8ヵ国語に対応しており、他の人のスマホにも送信できるため、海外旅行やビジネス、議事録の作成など、幅広い用途に使えます。2020年12月1日現在、特許申請中です。

2014年に福岡県の創業者のガレージで設立されたドーナッツ・ロボティクスは、家庭用見守りロボット「シナモン」なども開発しています。

2. 感染病の初期症状検知マスク「Vital Mask」

近年、エンジニアやプログラマーのチームが特定のテーマについてアイデアを出し合い、形にするハッカソンが注目されています。IoT(モノのインターネット)センサーを内蔵し、感染症の初期症状の検知に役立つ「Vital Mask(バイタルマスク)」も、ハッカソンから生まれた商品です。

「Vital Mask」を院内で患者に利用すると、検温や心拍数の測定といった作業を自動化できるため、医療現場の業務効率化にも大いに貢献すると期待されています。こちらも現在、特許申請中です。

開発者のコーネル大学のエンジニアリングチームは、2020年2月にニューヨークで開催された第7回年次AIヘルス・ハッカソンにて、大賞およびIBMのコロナウイルス賞3位を受賞。4月にVita Innovationsというスタートアップを立ち上げました。

3. 口の動きを光で再現するLEDマスク「Jabber Mask」

機能性を追究するハイテクマスクが注目を浴びる中、遊び心を重視したハイテクマスクも、多くの欧米メディアで取り上げられています。

カリフォルニアのゲーム開発者タイラー・グライエル氏が考案した「Jabber Mask(ジャバーマスク)」は、マスクに内蔵された小型のLED電球が着用者の声に反応して、口の動きに合わせて点いたり消えたりするという、遊び心たっぷりのマスクです。

米WEB広告代理店Maestro Media のベンチャー部門、Maestro Media Venturesの支援を受け、現在はクラウドファンディングIndiegogoで購入型のプロジェクトを実施しています。交換バッテリー式の軽量タイプ、USBで充電できるデラックス、アプリと連動できるプロの3種類があり、価格は1枚35~75ドル(約3,659~7,841円)です。

「個性的でクールなカスタマイズマスクにインスパイアされた」というグライエル氏は、発案の動機について「自分のスキルを活かしたワンランク上の最もクールなマスクを開発したかった」と語っています。

4. ウェアラブル空気洗浄機?「Puricare」

マスクを着用していると、特に混雑した場所では息苦しさや蒸し暑さを感じることも少なくありません。そんな悩みを解消するために開発された商品が、韓国の大手総合家電LG Electronics の「Puricare(ピュリケア)」です。

家庭用空気清浄機で使われているH13 HEPAフィルターを2枚搭載しており、デュアルファンと特許取得済みの呼吸センサーによって、着用者の呼吸ペースに応じて空気を調節してくれます。

いくら性能が優れていても、重かったり顔にフィットしなかったりすると、長時間着用できません。「Puricare」は顔の形状分析に基づいて設計されており、顔にぴったりフィットして、鼻とあごの周りの空気漏れを最小限に抑えます。

通常のマスクのようにこまめに洗えないため衛生面が気になるところですが、専用の充電ケースには有害な細菌を消滅させるUV-LEDライトが装備されており、充電しながら殺菌もできます。フィルター交換が必要になると、LG ThinQモバイルアプリ(Android/iOS対応)で通知を受けることができるので、大変便利です。

発売日は未定ですが、9月に開催されたエクスビジョン「LG IFA 2020」で発表されたことから、近い将来実用化されるのではないでしょうか。

マスクブームはコロナが終わっても続く?

日常生活でマスクを着用する習慣がなかった欧米では、特に若い層や女性を中心に、工夫を凝らした手作りマスクや様々なブランドのオリジナルマスクなど、マスクが新しいファッションアイテムになりつつあります。

アフターコロナでも、マスクは個性をアピールするアクセサリーとして定着するでしょう。ID認証機能やスマホ機能のついたもの、あるいは音声認識機能とアプリを利用して、Amazon AlexaやGoogle Assistant、Apple Siriなどのバーチャルアシスタントと連動するものなど、より実用性と効率性が高いハイテクマスクが登場するかもしれません。

テクノロジーとユニークなアイデアを組み合わせた「ハイテクマスク(High Tech Face Mask)」の市場動向、今後もチェックしてみるべきでしょう。

本サイトの記事は(株)ZUUが情報収集し作成したものです。記事の内容・情報に関しては作成時点のもので、変更の可能性があります。また、一部、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社が提供している記事を掲載している場合があります。 本サイトは特定の商品、株式、投資信託、そのほかの金融商品やサービスなどの勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません。本サイトに掲載されている情報のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。 当サイトご利用にあたっては、下記サイトポリシーをご確認いただけますようお願いいたします。