“投資”というと、「資産運用」や「株式投資」などをイメージする人が多いでしょう。確かに、年金をはじめとする社会保障への不安が広がっている現代において、資産運用は大切です。しかし自分自身への投資(自己投資)もまた、生涯年収に大きく影響します。
とはいえ、闇雲に勉強したり、資格を取得したりしようとすると、いたずらに時間を浪費することになりかねません。限られた時間を活用する社会人学習では、計画性と戦略性が重要です。そこで、費用対効果が高い社会人学習を行うために、どのような勉強をすべきか考えてみましょう。
費用対効果が高い社会人学習とは
社会人学習のポイントは、コストパフォーマンスにあります。特に目的もなく知識やノウハウを得るだけの学習をしていると、知的満足度は高まるかもしれませんが、得られるのは雑学だけです。同じ時間をかけるなら、実生活に役立つ学習をすることで、昇進や昇給を狙うべきでしょう。
費用対効果の高い社会人学習には、以下のようなものがあります。
「手に職系」の資格
1つ目は、「手に職系」の資格を取得するための学習です。中でも、収入アップやキャリアアップにつながりやすい「簿記」や「英語系(TOEIC・TOEFL)」、独立も目指せる「法律系(弁護士、司法書士、行政書士)などの資格はおすすめです。「普通自動車運転免許」も汎用性が高いです。
ベースアップにつながる学習
2つ目は、ベースアップにつながる学習です。取得する資格を選ぶ際は、不動産業であれば「宅地建物取引士(宅建)」、金融業であれば「ファイナンシャルプランナー(FP)」など、自分が携わっている仕事に直結する資格を取得することで、特別手当などの支給による収入アップにつながります。
普遍的な社会人基礎力の向上
3つ目は、社会人基礎力を向上するための学習です。経済産業省は、2006年に発表した「社会人基礎力」を改良し、人生100年時代ならではの切り口・視点を加えています。具体的には、以下の「3つの能力/12の能力要素」を掲げています。
・前に踏み出す力(主体性、働きかけ力、実行力)
・チームで働く力(発信力、傾聴力、柔軟性、情況把握力、規律性、ストレスコントロール力)
・考え抜く力(課題発見力、計画力、想像力)
社会人基礎力を向上させるために必要な勉強は、大別すると「書籍から学ぶ方法」と「人から学ぶ方法」の2つがあります。そのうち、とくにコスパがいいのは書籍です。書籍への投資は、比較的安価であることに加え、使用後は売却することもできるので効率的です。また、書籍で学びにくい人は、SNSやマッチングサービスなどで安価に学べるグループや勉強会、個人教師などを探してみるといいでしょう。
その学習が何をもたらすのかを考えよう
社会人におすすめの3つの学習を紹介しました。これらは、どれか1つを行えばいいというわけではなく、それぞれのステージに合わせてバランス良く学んでいく必要があります。仕事を持つ社会人が勉強する時間を確保するのは、簡単ではありません。したがって「その学習が何をもたらすのか」を常に念頭に置いて勉強をすることで、自らのスキルやキャリア、収入の向上を目指すことをおすすめします。