資産運用には必ずリスクがあり、資産を大きく減らしてしまう場合も存在します。このような失敗を防ぐには、リスク管理や失敗例から資産運用のコツを学ぶことが大切です。
そこで本記事では、資産運用で失敗する人の特徴や失敗例について紹介しているので、損失のリスクを抑えたい方は参考にしながら資産運用を行いましょう。
目次
資産運用で失敗する人の特徴
資産運用で失敗する人には、いくつか共通点が見られます。まずは失敗しやすい人の特徴をまとめたので、「自分が当てはまっていないか?」を確認していきましょう。
専門家に全面的に依存する
専門家は豊富な知識や経験を持っていますが、それでも投資商品の値動きを正確に予測できるわけではありません。専門家の意見を盲目的に取り入れてしまうと、知らず知らずのうちにリスクを抱え込んでしまう恐れがあります。
どのような資産運用も、最終的な投資判断は自分で下すことになるため、専門家だからと言って全面的に依存しないことが大切です。
明確なゴールが決まっていない
資産運用を成功させるには、目的を意識してリスク・リターンのバランスを取る必要があります。目先の利益に捉われると、無理にハイリターンを狙うことが増えるため、目的を達成できないどころか資産を減らすリスクが高まります。
まずは、資産運用のゴールを設定し、そのゴールを達成するための方法を選び、リスクを抑えた資産運用の方法を選びましょう。
資産運用のルールが曖昧
資産運用を行えば、必ず資産を増やせるわけではありません。
例えば、ある株式を株価1,000円で100株購入した場合、株価が800円まで下落したら売却を検討する必要があるでしょう。このときに資産運用のルールが曖昧になっていると、さらに株価が下落して600円になって損失が膨らみ、売却するタイミングを見失う可能性があります。
そして、最終的には資金の大部分を失ってしまう恐れもあるので、銘柄ごとに何円になったら売却するのか、といった取引に関するルールは事前に決めておきましょう。
失敗例から学ぶ資産運用のポイント
ここからは、資産運用でよく見られる3つの失敗例を見ていきましょう。
【失敗例1】ひとつの商品に資金を集中させてしまう
投資情報の収集には手間がかかるため、ひとつの商品に資金を集中させる初心者は多く見られます。一見すると、複雑な投資判断を避けられるかもしれませんが、実はリスク管理の観点からは望ましくありません。
例えば、すべての投資資金をひとつの銘柄(例:株式)に集中させると、その企業の経営が傾いたときに資産が大きく減ってしまいます。つまり、リスクを分散させることができないため、この方法では安定した資産運用は難しくなるでしょう。
投資商品にもよりますが、資金を分散させることは投資の基本とも言われています。
【失敗例2】直感だけで相場観を判断する
投資商品の下落が数日間続くと、「この辺りが底値だろう」と判断することがあります。しかし、値動きを正確に予測することは困難なため、チャートの形だけで安易に判断をするべきではありません。
直感的に取引をすると、資産運用の安定性が著しく下がります。投資商品の値動きは十分な情報収集と分析をもとに判断すべきものです。
【失敗例3】「テーマ商品」や「おすすめ商品」を分析なしで購入する
専門家や金融機関から勧められた商品をそのまま購入するケースも、初心者にありがちな失敗例です。最近では、「テーマ商品」や「おすすめ商品」が紹介されるサービスもありますが、これらの商品が確実に利益を出せるわけではありません。
多くの投資家が購入しているからと言って、自分に適した商品とは限らないので、取引の前には必ず分析を行うようにしましょう。
資産運用の失敗やリスクを防ぐ3つのコツ
ここからは資産運用の失敗を防ぐ方法として、3つのコツを分かりやすく解説します。
生活に必要な資金は確保しておく
資産運用は、余剰資金で行うことが原則です。すべての現金を投資に回すと、大きな損失が生じたときに日常生活にも支障が出てしまいます。
そのため、資産運用に回す資金は多くても「資産総額-半年分の手取り金額」に留めておきましょう。仮に利益が出ていて相場が好調な状況であっても、無理に投資資金を増やすと大きな損失が出る可能性が高くなるので注意しましょう。
長期・分散・積立を徹底する
資産運用の安定性を高めたい方は、以下の3つを意識して運用プランを立てましょう。
○リスクを抑える3つの投資方法
・長期投資:同じ投資商品を数年~数十年もち続ける方法。
・分散投資:金融商品や投資地域、タイミングを分散させることでリスクを抑える方法。
・積立投資:毎月などの決まった頻度で、同じ金額分の商品を購入し続ける方法。
上記はいずれも初心者にも適した投資方法であり、組み合わせることでさらに大きな効果を期待できます。ただし、上記の投資方法が適切ではなくなる状況もあるので注意しましょう。
運用方針を決めてもらえる商品を選ぶ
自分で投資判断をする自信がない方は、前もって運用方針が決まっている商品の購入や、運用方針を決めるアドバイスがもらえるサービスの利用を検討してみましょう。代表的なものとしては、投資のプロが代わりに運用してくれる投資信託や、最適な資産運用を提案してくれるロボアドバイザーなどが挙げられます。
これらの商品・サービスは、長期積立や分散投資を前提としたものが多く、目論見書などに投資判断に必要な情報がまとまっています。情報収集や分析などの手間を省けるので、忙しくて時間が取れない方にもぴったりな選択肢です。
リスクを抑えるには正しい知識と運用プランが必要
資産運用において、他人の意見を鵜呑みにする人や、ハイリターンを狙い過ぎる人は失敗しやすい傾向があります。損失のリスクを極力抑えるには、正しい知識を身に付けた上で明確な資産運用のプランを立てることが必要です。
特に初心者の方は本記事を参考にしながら、資産運用のプランを慎重に組み立て、資産を増やしていきましょう。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。