ワンルームマンション投資のメリットと失敗しないためのポイントとは？

資産運用の一環として「ワンルームマンション投資」を検討している人もいらっしゃるでしょう。インターネットで情報収集をしていると、ややネガティブな記事を見かけることもあり躊躇してしまう場合も……。

そこで今回は、ワンルームマンション投資のメリットと、失敗しないためのポイントについて解説します。

ワンルームマンション投資とは

マンションの一部屋を購入し、賃料収入や売買差益によって利益を狙う投資方法のことを「ワンルームマンション投資」と言い、マンションやアパートをまるごと購入する「一棟投資」に対して「区分投資」と呼ばれます。新築と中古のどちらでもワンルームマンション投資は可能です。

ワンルームマンション投資のメリット

それでは、ワンルームマンション投資のメリットについて見ていきましょう。

少額の資金で始められる

一般的にワンルームマンション投資は、マンションやアパートをまるごと購入する一棟投資よりも物件価格が低く抑えられます。そのため、不動産投資の中では比較的少額の資金で始めることができます。また、ワンルームマンションに限りませんが、ローンを利用すれば少額の頭金で購入することもできます。

長期的な家賃収入が期待できる

物件の立地やグレード、家賃水準などにもよりますが、ワンルームマンションを適切に運用すれば、長期的に安定した家賃収入を期待できます。多くのワンルームマンションは「他人に貸すこと」が前提（自己使用する場合もあります）であり、立地はもちろん、設備や間取りなども賃貸に適した仕様になっていることがほとんどです。

生命保険の代わりになる

ワンルームマンションをローンで購入する場合、ほとんどのケースで団体信用生命保険（団信）に加入します。団信とは、ローン返済中に契約者に万が一のことがあった場合、保険金によって住宅ローンの残債が弁済される保険のことです。つまり、ローンを活用してワンルームマンションに投資すると生命保険の代わりになるのです。

節税につながる

ワンルームマンション投資をうまく活用すると、節税につながります。例えば、損益通算や減価償却を活用することで、所得税や住民税を圧縮できます。また、「不動産（特に収益不動産）は時価と相続税評価額が乖離しやすい」という特性を利用して、相続税対策に活用されることもあります。

ワンルームマンション投資で失敗しないためのポイント

インターネットでワンルームマンション投資について情報を収集すると、失敗事例などネガティブな情報を見かけることがあります。ここからは、ワンルームマンション投資で失敗しないためのポイントを解説します。

新築ではなく中古を選ぶ

ネガティブな情報の多くは、「新築ワンルームマンションはやめたほうがよい」というものです。その理由は、「物件価格が高くなりやすい」「新築プレミアムが乗っているので購入後に価格が下落しやすい」「利回りが低くなりやすい」「中古に比べて運用シミュレーションの精度が落ちやすい」などです。

中古物件は一般的に新築より価格が低く、すでに不動産市場で売買履歴があったり、賃貸履歴があったりするため、新築に比べて将来を予測しやすいと言えます。新築ワンルームマンションが必ずしも悪というわけではありませんが、これからワンルームマンション投資を始める人は、まずは中古を選ぶと良いでしょう。

オーナーチェンジ物件を選ぶ

とはいえ、中古であれば何でもよいわけではありません。中古の中でも「オーナーチェンジ物件」を選ぶとよいでしょう。オーナーチェンジ物件とは、すでに入居者が賃貸契約を結び、入居している物件のことです。

「オーナー」が「チェンジ」するだけなので、購入者は自分で空室を埋める必要がありません。次の月から家賃が振り込まれるため、不動産投資の大きなリスクである「空室リスク」がない状態で運用を開始できるのです。

節税メリットだけにとらわれない

ワンルームマンション投資のセールトークで、節税メリット（特に給与所得と不動産所得の赤字を損益通算することで所得税・住民税を節税すること）が強調されることがあります。前述のとおり、ワンルームマンション投資が節税につながることは事実です。

しかし冷静に考えてみると、所得税・住民税の節税ができるということは、ワンルームマンション投資単体では赤字ということです。不動産投資は物件を売却してはじめてトータルの損益が確定するので、単年が赤字でもその投資が失敗とは限りませんが、いずれにせよ節税メリットにとらわれて購入を判断するのは控えるべきです。物件自体の収益性をよく吟味するようにしましょう。

なるべく立地が良い場所を選ぶ

ワンルームマンションを1戸しか保有していない場合、入居率は100%または0%のどちらかです。前述のとおり、空室は不動産投資における大きなリスクのひとつです。「100%」または「0%」の二択を避けるには、最初から複数戸を購入するしかありませんが、立地が良い物件（＝入居募集がしやすい場所）を選ぶことで、ある程度リスクを下げることは可能です。

ワンルームマンション投資は、うまく活用すれば有益な手段

ワンルームマンション投資をうまく活用すれば有効な資産形成の手段になり得ます。これまで解説してきたメリットや失敗を防ぐためのポイントを参考に、よく吟味した上で判断しましょう。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。