2009年に登場したブロックチェーンの技術はその後、急速な進化を遂げ、2030年には市場規模が142兆円を超えると予想されている。(出所:Polaris Market Research(2022年6月現在)2021年12月末の為替相場にて円換算。)この成長に着目し、ブロックチェーン・ビジネス関連企業の株式に投資する『インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)』は、2019年の設定以来、約5年間で約3.5倍に成長した。(課税前分配金再投資基準価額(期間:2019年7月11日~2024年12月末))さらに、ドナルド・トランプ大統領による暗号資産への支援策などブロックチェーン技術を活用しているビットコインなどの暗号資産の成長は、当ファンドが投資している一部の企業への好材料となることが期待される。
では、『世カエル』はどのような特徴を持つファンドなのか。その魅力とは何か。そして今後の展望はどうなるのか。インベスコ・アセット・マネジメント株式会社の株式・マルチアセット部 兼 ETF事業推進担当 ディレクター 小島雄介氏と、コインシェアーズ社でインデックス ファンド マネージャーを務めるアレキサンダー・シュミット氏に話を聞いた。

――『インベスコ 世界ブロックチェーン株式ファンド(愛称:世カエル)』についてご紹介ください。
小島氏:『世カエル』は、ブロックチェーン技術を活用する企業の株式に投資するファンドです。対象は日本を含むグローバルの株式で、当ファンドが連動を目指すインデックス(コインシェアーズ・ブロックチェーン・グローバル・エクイティ・インデックス(税引後配当込み、円換算ベース)、以下、「ブロックチェーン・インデックス」)の銘柄選定はコインシェアーズ社のアレキサンダー・シュミット氏らが担当しています。日本では公募投資信託として提供され、インデックスファンドとして運用されています。
◆『世カエル』が連動を目指す「ブロックチェーン・インデックス」について
――「ブロックチェーン・インデックス」の特徴を教えてください。
シュミット氏:世界中のブロックチェーン関連株式に分散投資しているのが特徴です。米国企業が多いですが、日本や韓国、台湾、カナダ、中南米などの企業も含まれています。
――「ブロックチェーン・インデックス」の構成銘柄となるブロックチェーン関連株式にはどのようなものがあるのでしょうか。
シュミット氏:「ブロックチェーン・インデックス」のポートフォリオは、多岐にわたる企業で構成されています。たとえば、
大手暗号資産取引プラットフォーム
・コインベース・グローバル
・ギャラクシー・デジタル・ホールディングス
ビットコインのマイニング事業
・サイファー・マイニング
・ライオット・ブロックチェーン
その他の関連企業
・ソニーグループ
・メルカドリブレ
・台湾積体電路製造(TSMC)
これらの企業を含む45銘柄で構成されており、非常に分散性の高いポートフォリオとなっています。(2025年2月時点)
――日本の企業としては、他にもマネックスグループやSBIホールディングス、GMOインターネットグループなども含まれていますが、どのような役割を担っているのでしょうか。
シュミット氏:分散投資の観点からとても魅力的で、日本のブロックチェーン関連企業をポートフォリオに組み込むことで、投資家にとって貴重な投資機会を提供する非常にユニークな存在だと考えています。
――ブロックチェーン・インデックスの投資先を選定する際、有望領域はどのように決定しているのでしょうか。
シュミット氏:私たちは、できるだけ多くの企業の経営陣と対話を行い、業界カンファレンスにも積極的に参加しています。また、データセンターやブロックチェーンのマイニング事業を行う企業を実際に視察するなど、デューデリジェンスを徹底し、有望な企業とそうでない企業を見極めることを重視しています。特に財務状況については詳細に分析し、これらの企業がどのように資金を調達し、事業を運営しているのかを重点的に調査しています。
――ファンダメンタル分析では、どのような成長ドライバーを重視していますか?
シュミット氏:事業の種類によって、成長の推進要因は異なります。例えば、ビットコインのマイニング事業は資本集約的であるため、生産コスト、特に電力コストの抑制が重要になります。損益分岐点を下げ、ビットコイン価格との価格差から収益を確保できるかどうかを慎重に検証します。したがって、利益率の高い企業を優先的に評価します。一方で、ブロックチェーン技術を活用してサービスを提供する企業や金融機関の場合は、既存の顧客基盤やビジネス基盤に対して、どれだけ効率的にレバレッジをかけられるかが重要な判断基準となります。つまり、その企業が持続的に利益を上げられるかどうかを、ビジネスモデルと照らし合わせながら評価しています。
――スコアリングシステムでは、どのような指標を使って投資判断を行っているのでしょうか。
シュミット氏:実際に企業の利益に貢献しているか、それが今後成長し、持続可能なものなのかを重視します。加えて、ブロックチェーン技術の開発・実用化がどの段階にあるのかも評価のポイントとなります。また、競合他社とのポジショニングも重要な要素であり、業界内での優位性を総合的に判断しています。
◆「ブロックチェーン・インデックス」との連動を目指す『世カエル』の魅力とは?
――『世カエル』はどのような特徴を持っていますか?
小島氏:『世カエル』は、世界のブロックチェーン関連企業に投資をする投資信託ですが、コインシェアーズ社が銘柄のスコアリングやウェイト付けを行っており、プロが選び抜いた銘柄で構成されています。そのため、インデックスファンドではあるものの、アクティブファンドの要素を持ち合わせているとも言えます。
また、ブロックチェーン技術を活用した分野として、暗号資産関連のビジネスを行う企業にも投資していることから、世界株式と比較するとビットコインの値動きに連動する局面も見られます。
――ビットコイン等の暗号資産についてはどうみていますか?
小島氏:米国のインフレ高止まりや債務問題から米ドルへの信頼性が揺らぎ始めている部分がありますが、そうした環境下でもビットコインはインフレヘッジ機能が期待される、ドルとの相関が相対的に低いなどの特徴を備えています。ボラティリティは相対的に大きく、リスクオフ局面には弱い側面もありますが、投資の観点からみると、株式や債券など伝統的資産と相関が低いといった特徴があります。
また、2024年1月に、米国証券取引委員会が現物型ビットコインETFの上場を承認してから、米国の年金基金や大学基金などの機関投資家が、ビットコインETFに参入する動きも見られるなど、投資家の裾野が広がってきていると認識しています。
――日本の投資家にとって、ブロックチェーン関連株式ファンドはどのような活用方法が考えられますか?
『世カエル』では、暗号資産関連のビジネスを行う企業にも投資していることから、世界株式と比較してビットコインの値動きに連動する局面が見られます。ビットコインは、株式や債券などの伝統的な資産との相関が相対的に低めなことからも、当ファンドをポートフォリオに組み入れることで、分散投資効果が期待できるのではないでしょうか。
さらに、ブロックチェーン技術は、長期的に社会の変革を担う技術であると考えており、成長が期待されます。『世カエル』では、暗号資産関連企業だけでなく、様々な分野の企業活動に活用が広がり、新しいサービスや産業を生み出しているブロックチェーン関連企業に投資していますので、分散されたポートフォリオにより、幅広い分野から成長が期待できるのではないかと思います。
ご留意事項
当記事はインベスコ・アセット・マネジメント株式会社が提供した情報をもとに(株)ZUUが作成したものです。当記事の内容は信頼できる情報に基づいて作成されたものですが、その情報の確実性あるいは完結性を表明するものではありません。また、過去の運用実績は、将来の運用成果を保証するものではありません。当記事で詳述した分析は、一定の仮定に基づくものであり、その結果の確実性を表明するものではありません。分析の際の仮定は変更されることもあり、それに伴い当初の分析の結果と差異が生じる場合があります。当記事の中で記載されている内容、数値、図表、意見などは特に記載がない限り当記事作成時点のものであり、今後予告なく変更されることがあります。ファンドの購入のお申込みの場合には、投資信託説明書(交付目論見書)を販売会社よりあらかじめまたは同時にお渡ししますので、必ず内容をご確認の上、ご自身でご判断ください。投資信託は預金や保険契約と異なり、預金保険機構または保険契約者保護機構の保護の対象ではありません。また、登録金融機関は投資者保護基金には加入しておりません。ファンドのお取引に関しては、金融商品取引法第37条の6の規定(いわゆるクーリングオフ)の適用はありません。ファンドは、実質的に国内外の値動きのある有価証券など(外貨建資産には、為替リスクもあります。)に投資しますので、基準価額は変動します。したがって、元本が保証されているものではありません。これらの運用による損益はすべて受益者の皆様に帰属します。
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