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テクノロジーが変革する農地投資 個人投資家にもチャンス到来?
(画像=cherryandbees/stock.adobe.com)

テクノロジーが変革する農地投資 個人投資家にもチャンス到来?

インフレ対策やサステナビリティを重視する投資家の間で、農地投資への関心が高まっています。近年はデジタル化の波に乗り、農地に特化したクラウドファンディングや投資信託、REIT(不動産投資信託)が続々と生まれており、農地投資の民主化が進む兆しが見えています。

農地投資とは

農地投資とは、金銭的利益を目的として農地に投資することです。具体的には、農地の貸し出しや農地の売買、農業事業の運営などが挙げられます。

いずれも投資規模が大きく、複雑な領域であることから、長年にわたり年金基金やファミリーオフィス(富裕層)といった機関投資家向けの投資対象とされてきました。農地投資が活発な米国においては、推定260億ドル(約3兆5,100億円)が機関投資家により所有、あるいは管理されているといわれています。

近年は農地ファンドや農地REITなども販売されており、個人投資家が投資できる選択肢が徐々に広がりつつあります。

日本においては相続を除き、農家以外の農地所有が認められていませんが、2013年の農地法改正を機に企業の新規参入が進み、現在は複数の農地ファンドが設立されています。

農地投資のメリットとデメリット

農地投資のメリットは、インフレに強い実物資産である点です。Global AgInvestingによると、歴史的に消費者物価指数(CPI)との正の相関を持つリターンになっているため、効果的なインフレヘッジになると考えられています。

一方で、流動性の低さや気候や災害、農地価格の下落などの影響を受けやすいことがデメリットとして挙げられます。

農地投資への関心が高まっている理由

次に、農地投資への関心が高まっている背景について見てみましょう。

食料サプライチェーンとSDGsに欠かせない

農地は世界の食料サプライチェーンを支える重要な役割を担っているだけでなく、SDGs(持続可能な開発目標)の一つである「飢餓をゼロに」の実現する上でも欠かせない要素です。人口の増加や所得向上による畜産物需要の拡大などを背景に、食糧問題が深刻化している近年、その重要性はますます高まっています。

安定したリターンを期待できる

農地投資は、歴史的に安定した資産の一つです。

FarmTogetherによると、1992~2020年まで、農地投資の平均ボラティリティは6.48%と、S&P500(16.9%)やゴールド(14.8%)より低い水準にありました。2000~2019年は毎年4%以上(そのうち15年間は5%以上)のリターンを記録するなど、力強いパフォーマンスとなっています。

インフレ・景気後退に強い

農地は株式や債券といった金融資産と相関性が低く、インフレ・景気後退環境に強い資産として考えられています。最近では、米国の消費者物価指数(CPI)が約8.7%に上昇した2022年、S&P500の年初来高値からの下落率が約20%だったのに対し、米国の農地ベンチマークであるNCREIF農地不動産指数はインフレ率を上回る10.2%の上昇を記録しました。

農地投資の民主化を狙うスタートアップ

近年はテクノロジーを駆使し、農地投資にイノベーションを起こす動きが見られます。現時点では適格投資家(※)を対象とするものが多いのが現状です。米国のスタートアップの事例を見てみましょう。

(※)米国証券取引委員会が示す一定の条件を満たした個人または法人のこと。

農地投資を多様化する「Farmtogether」

Farmtogether(ファームトゥギャザー)は、クラウドファンディングを含む多様な農地投資の機会を適格投資家に提供しています。投資家は同社のプラットフォームを介して、カリフォルニアのブドウ園などの共同所有権の取得などができます。

2017年の設立以来、運用資産残高が1億7,000万ドル(約229億5,000万円)を超える規模へと急成長を遂げました。

高リターンを狙う「AcreTrader」

AcreTrader(エイカートレーダー)はFarmtogether同様、適格投資家がさまざまな農地に直接投資できるクラウドファンディング・プラットフォームです。2018年の設立以来、総資本額は3億ドル(約405億円)を超えており、年間平均リターンが11%という高い実績を誇ります。

おおよそ3~10年の保有期間の終了後に農地の評価額に基づく比例配分した金額を受け取れる点と、最低投資額が15,000ドル程度(約203万円)に設定されている点が特徴です。

今後のさらなる成長に期待

生活必需品である食糧を生産する農地は、他の資産にはない固有の特長があることから、長期的に安定したリターンを期待できる投資対象として、今後ますます注目されるでしょう。

一方で、さらなるテクノロジーの進歩が新たな投資の機会を個人投資家にもたらす可能性もあります。前述の通り、日本においても注目度が徐々に高まりつつある領域であるため、興味のある方はこまめに最新の情報をチェックしてみましょう。

Wealth Roadでは、今後も農地投資の動向をレポートします。

※為替レート:1ドル=135円
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