ホーム > 投資の未来 > 世界で加速する「ブロックチェーン教育」トップ大学・企業も続々参入
(画像=denisismagilov/stock.adobe.com)

世界で加速する「ブロックチェーン教育」トップ大学・企業も続々参入

暗号資産やブロックチェーン技術の需要拡大を受け、ブロックチェーン技術関連の学習コースを開設する世界のトップ教育機関や企業が増えています。米国においては、「義務教育でブロックチェーンや暗号資産について教えるべき」という声も上がっており、「ブロックチェーン教育」への関心が高まっています。

回答者の6割以上が「ブロックチェーン教育」を支持

国際市場調査企業Grand View Research (グランド・ビュー・リサーチ)のデータによると、世界のブロックチェーン市場規模は2022年に100億ドル(約1兆3,500億ドル)を突破し、2023~2030年の間に、年平均成長率(CAGR)87.7%のペースで成長することが予想されています。ベンチャーキャピタルから資金調達を行うブロックチェーン企業が増加していることが成長の要因の一つです。

ブロックチェーンは金融や小売、物流・輸送、ヘルスケア、自動車、メディア、エンターテインメント、行政など多様な産業において今後さらに活用が広がり、「将来的に不可欠な技術」となる可能性が高まっています。

このようなトレンドは教育分野にも影響を与えています。

2022年に米オンライン学習コース「Study.com(スタディ・コム)」が、ブロックチェーン技術の基礎知識や暗号資産の投資経験がある米国の大学卒業者210人と保護者844人を対象に実施した調査 では、それぞれ6割以上が「暗号資産を義務教育の一環にすべき」と回答しました。

また、大学卒業者の3分の1以上が 「メタバースやブロックチェーンを学校のカリキュラムに取り入れるべき」、8割以上が「大学卒業資格の代わりに暗号資産や技術革新に関する正しい知識を身に付けておくことで、(将来的に)より高収入を得ることができる」と考えていることが明らかになりました。

調査結果は、ブロックチェーン技術を「就職の際に有利な技術」として受けとめる風潮が強まっていることを反映しています。

世界トップ50大学の4割以上がブロックチェーン学習コース開設

需要の高まりを受け、ブロックチェーン技術関連の学習を重視する大学が増加傾向にあります。

暗号資産取引所Coinbase (コインベース)の調査によると、世界のトップ大学50校中42%が暗号資産又はブロックチェーン技術関連の学習コースを一つ以上提供しています。

マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院やコネティカット大学 のように単独のブロックチェーン学習コースを設けている大学がある一方で、経営学や金融、会計、起業などの学習コースのカリキュラムの一環として、暗号資産やブロックチェーン技術の講義を組み込んでいる大学もあります。

一例を挙げると、ニューヨーク大学スターン経営大学院はブロックチェーン技術が金融産業にもたらす影響を見越し、2014年にブロックチェーン技術について学習できる金融サービスのコースを開設しました。同コースの生徒数は2018年春までに、開設当初の約6.5倍(230人)に急増したといいます。

さらに2017年には、ブロックチェーン技術やAI(人工知能)、Fintech(フィンテック)などのイノベーションに焦点を当てた研究センターを設立し、ブロックチェーンおよびFinTech企業や組織との提携を介して、ブロックチェーン分野の発展と人材育成に貢献しています。

未来のブロックチェーン人材の育成を支援する企業

企業にとってブロックチェーン技術は、革新的な商品やサービスを開発する上で重要なカギを握る技術の一つです。

一部の企業はブロックチェーン技術に精通した優秀な人材を積極的に確保する一方で、将来的にブロックチェーン分野で戦力となり得る「未来の人材育成」を支援しています。

例えば、IBMとAmazonは独自の無料オンラインIT学習プログラムの一環として、ブロックチェーン技術について学習できる機会を提供しています。

IBMはビジネスやITスキル・知識が学べる「SkillBuild (スキルビルド)」にブロックチェーン学習コースを設けている他に、ブロックチェーンへの理解を深めることを目的とする教育ブログ「Blockchain Education (ブロックチェーン教育)」でさまざまな情報を発信しています。

Amazonのクラウド事業であるAWS(アマゾン・ウェブ・サービス) は、デジタルトレーニングコース「AWS Training and Certification(AWSトレーニングと認定)」で「ブロックチェーン入門」を提供しています。

一方で、Oracle(オラクル)は自社のブロックチェーン・クラウドサービスに特化したブロックチェーン学習コース「Oracle Blockchain Cloud Training and Certification (オラクル・ブロックチェーン・クラウド・トレーニングと認定)」を提供しています。

即戦力として活躍できるスキルがカギに

ブロックチェーン技術に精通した人材が不足している近年、ブロックチェーン関連の教育や人材育成がますます重視されています。市場の発展とともに、知識だけではなく即戦力として活躍できるスキルを身に付けられる学習コースの重要性が高まるでしょう。投資対象としても、今後、注視していきたい分野です。Wealth Roadでは、引き続きブロックチェーン市場の動向をレポートします。

※為替レート:1ドル=135円
※上記は参考情報であり、特定企業の株式や暗号資産などの売買及び投資を推奨するものではありません。

本サイトの記事は(株)ZUUが情報収集し作成したものです。記事の内容・情報に関しては作成時点のもので、変更の可能性があります。また、一部、インベスコ・アセット・マネジメント株式会社が提供している記事を掲載している場合があります。 本サイトは特定の商品、株式、投資信託、そのほかの金融商品やサービスなどの勧誘や売買の推奨等を目的としたものではありません。本サイトに掲載されている情報のいかなる内容も将来の運用成果または投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。最終的な投資決定はご自身の判断でなさるようお願いいたします。 当サイトご利用にあたっては、下記サイトポリシーをご確認いただけますようお願いいたします。