投資信託は少額から購入でき、ひとつの銘柄で複数の地域や商品に分散投資を行ってリスクを抑えられることから人気があります。ただし、投資信託は投資先として誰にでも適した金融商品ではなく、やめたほうがいい人もいます。
そこで本記事では、投資信託の運用をやめたほうがいい人・やったほうがいい人の特徴を解説します。あなたご自身が投資信託の運用に向いているのかを確認しましょう。
目次
投資信託は、投資家から集めたお金を専門家が運用してくれる金融商品です。運用がうまくいけば投資信託の基準価額が上がり、譲渡益や分配金として利益を受け取れます。
投資信託では、専門家が運用方針に基づいて国内外の株式・債券などの中から投資先を選び、投資家に代わって運用します。つまり投資信託を保有すると、間接的にさまざまな国・地域・投資商品に投資できるのです。
次に、投資信託をやめたほうがいい人の特徴を4つ紹介します。投資信託を始めようか迷っている方は、ご自身に当てはまる項目がないかチェックしてください。
余剰資金とは、手元にある資産のうち、生活費や非常時に備えて残しておく資金を除いた資金のことです。この余剰資金がない場合は、余剰資金以外の資金を使いたいと思うかもしれませんが、投資はできるだけ余剰資金の範囲内で行いましょう。
もし生活費を投資信託に回して購入時よりも基準価額が下がった場合は、生活に支障をきたす恐れがあります。資金がまったくない方は、投資信託の購入よりも貯金を増やすことを優先しましょう。
投資信託はリスクを抑えやすい銘柄が多いため、短期間で大きいリターンを狙いにくくなっています。
投資のリスクは、リターンと表裏一体の関係にあります。リスクが高いということは値動きの幅が大きいということで、逆にリスクが低いということは値動きの幅が小さいということです。値動きが比較的に小さくなりやすい投資信託はリスクを抑えて投資できるのが魅力ですが、すぐにお金を増やしたいという方には向いていません。
投資信託は基準価額が下落するリスクがあるため、損失が出る可能性があります。少しの損失でも絶対に避けたいという方は、投資信託を含めて投資には向いていません。
このような方は、定期預金や国債などの元本割れのリスクが極めて低い金融商品で資産運用することを検討しましょう。
投資信託では、専門家が投資先を決定します。投資家が個別銘柄を選んで投資するわけではありません。そのため、「投資を通じて企業を応援したい」と考えている方には向きません。企業を応援したいと考えているなら、投資先を自分で決められる株式投資を選びましょう。
続いて、投資信託をやったほうがいい人の特徴を3つ紹介します。当てはまる場合は、投資信託を始めることを検討しましょう。
投資の世界には「卵をひとつのカゴに盛るな」という格言があります。卵をひとつのカゴに入れておくと、カゴを落とした時にすべての卵が割れてしまいます。しかし複数のカゴに入れておけば、ひとつのカゴを落としたとしても他のカゴに入っている卵は割れません。
複数のカゴに卵を分散するのと同じように、投資信託では様々な国・地域・投資商品に分散投資できるため、リスクを抑えて投資したい人に向いています。
投資では「どの商品をどのくらい買うのか」「どのくらい値上がりした時に売るのか」など、多くの意思決定が求められます。投資期間が長くなれば、投資商品の保有割合を見直す必要もあります。専業投資家ならまだしも、初心者や兼業投資家の場合はこのような意思決定が負担になることがあります。
しかし投資信託なら、投資先の選定やポートフォリオの見直しといった運用を専門家に委ねられます。そのため、投資判断に必要な情報収集や分析に多くの時間をかけられない方には適した金融商品と言えるでしょう。
投資信託は証券会社や銘柄によって、1,000円や1万円などの少額から購入できます。
日本株は基本的に100株単位で売買する必要があり、最低購入金額が数十万円になることもあります。米国株は1株単位で投資できますが、世界的に知られる企業だと1株が数十万円のものもあります。
まだ投資初心者で、リスクを適切に理解できない方は、少額から購入できる投資信託から資産運用を始めることで、損失額を抑えつつ投資の経験を積めます。また、余剰資金が少なくて大きな資金を投資に回せない人でも、毎月一定額を積み立てながら投資資金を増やせます。
つまり、投資初心者や余剰資金が少ない方に向いているということです。
ご自身の資産状況や投資経験によって、投資先として向いている投資商品、向いていない投資商品が異なります。大切なことは、投資商品ごとの特徴を理解し、ご自身に合ったものを選ぶことです。投資信託の購入を検討している方は、本記事を参考にして購入したほうがよいのかどうかを確認しましょう。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。