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学資保険がいらないって本当?必要な人・不要な人を分かりやすく解説

学資保険は子どもの将来に備えて、コツコツと教育資金を貯められます。「学資保険はいらない」との声もありますが、中にはうまく活用して教育環境を充実させている方もいます。

そこで本記事では、学資保険の概要やメリット・デメリットに加えて、加入の必要性などをまとめました。学資保険以外の資産形成の方法も紹介しているので、教育資金を効率的に貯めたい方はぜひ最後までチェックしていきましょう。

そもそも学資保険とは?

学資保険とは、教育資金の積み立てを目的として加入する貯蓄型保険のことです。毎月決められた保険料を支払うと、積立金額に応じた満期保険金や祝金(進学準備金)などを受け取れます。

一般的な学資保険では保険料の支払い期間や祝金の受給時期を選べます。子どものライフプランに合わせて加入できるため、無理のない範囲で教育資金を積み立てられます。

「学資保険はいらない」と言われる理由

学資保険は教育資金の積み立てに役立ちますが、不要と考えている方も少なくありません。ここからは、「学資保険はいらない」と言われる主な理由を紹介します。

返戻率が低い

学資保険の返戻率とは、支払う保険料の総額に対する給付金・保険金の割合のことです。返戻率が100%を超えている保険では、負担総額よりも多くのお金を受け取れます。

学資保険はローリスクである代わりに返戻率が低く、中には特約をつけると100%を下回ってしまう商品も見られます。また、高金利の時代でも返戻率は高くて120%程度なので、基本的にはハイリターンを狙えません。

契約者や被保険者に年齢制限がある

一般的な学資保険では、契約者(親)や被保険者(子ども)に関する年齢制限が設けられています。特に被保険者の年齢制限は厳しく、多くの商品は6歳までに加入する必要があります。

12歳まで加入できる商品も一部存在しますが、加入のタイミングが遅れるほど保険料は割高になるので注意しましょう。

学資保険は本当に不要?押さえておきたい3つのメリット

学資保険には注意点やデメリットがあるものの、その反面で魅力的なメリットが存在します。ここからは特に押さえたい3つのメリットをまとめたので、「本当に不要かどうか?」を冷静に判断していきましょう。

確実に教育資金を貯められる

学資保険で負担する保険料は、指定口座からの引き落としによって積み立てられます。口座残高が不足しない限り、自動的に保険料が支払われる仕組みなので、学資保険では確実に教育資金を貯められます。

ただし、保険料の支払いが停滞したり短期間で解約をしたりすると、元本割れを引き起こしてしまうリスクがあります。中長期の積み立てを前提とした金融商品なので、特に加入するタイミングや運用期間は慎重に検討しましょう。

万一の事態になっても契約通りの学資金を受け取れる

多くの学資保険には、契約者本人(親)の死亡や高度障害などを対象にした「保険料払込免除特約」が備わっています。この特約では、契約者に万一のことがあった場合に保険料の支払いが免除され、学資金についても契約通りの額が給付されます。

保険料払込免除特約を付帯すると費用はかかりますが、資産運用のリスクを大きく抑えられるので、積極的に利用することを検討しましょう。

節税につながる

学資保険で支払った保険料は、生命保険料控除の対象に含まれます。つまり、契約者の所得から保険料を差し引けるので、学資保険は節税と資産運用を両立する方法として活用できます。

所得税 住民税
年間の保険料 控除額 年間の保険料 控除額
20,000円以下 保険料の全額 12,000円以下 保険料の全額
20,000円超~40,000円 保険料の50%+10,000円 12,000円超~32,000円 保険料の50%+6,000円
40,000円超~80,000円 保険料の25%+20,000円 32,000円超~56,000円 保険料の25%+14,000円
80,000円超 40,000円 56,000円超 28,000円

上記の通り、所得税は最大で年間40,000円、住民税は年間28,000円までの控除が受けられるので、年末調節または確定申告の際には忘れないようにしましょう。

学資保険が必要な人・不要な人の特徴

ここまでの内容を踏まえて、以下では学資保険が必要な人・不要な人の特徴をまとめました。

学資保険が必要な人 学資保険が不要な人
・教育資金をコツコツと貯める自信がない
・万一の事態に備えておきたい
・節税をしながら教育資金を貯めたい
・すでに十分な教育資金がある
・堅実に貯蓄できる自信がある
・他 の資産運用に興味をもっている

学資保険は確実性が高い金融商品なので、大きなリターンではなく安定した資産運用を求めている方に向いています。一方で、すでに十分な教育資金がある方や、普段から堅実に貯蓄ができている方は、無理に加入する必要はありません。

資産運用には学資保険以外の選択肢もあるので、視野を広げて「加入すべきかどうか?」を検討することが大切です。

学資保険以外で教育資金を用意する方法

では、学資保険以外の選択肢としては、どのような方法があるのでしょうか。

○学資保険以外の主な選択肢
・低解約返戻金型終身保険
・定期預金
・NISAを利用した投資(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)
・教育ローンや奨学金 など

それぞれの教育資金を用意する方法について、簡単に解説します。

低解約返戻金型終身保険

低解約返戻金型終身保険とは、保険料払込期間の解約返戻金を通常の終身保険よりも低くすることで、保険料を割安にした保険のことです。保険料払込が終わると、それ以降の解約返戻金は通常の終身保険と同じ水準に戻ります。その他の保障内容は通常の終身保険と同じです。

子どもの教育資金が必要になる前に保険料の支払いが終わる低解約返戻金型終身保険を選ぶことで、教育資金が必要になるタイミングで解約すると資金を確保ができます。ただし、途中解約すると返戻金が目減りするデメリットがあることは覚えておきましょう。

定期預金

定期預金は1週間~10年程度の間で指定した期間(満期)を過ぎるまで、中途解約しない限りは引き出せません。お金を預ける期間を教育資金が必要になるタイミングに合わせることで、前もって教育資金を確保して別の用途に使わないようにできます。

また、定期預金は学資保険のように控除が使えませんが、中途解約しても元本割れの心配がない点はメリットといえるかもしれません。

中途解約の条件は金融機関ごとに異なりますが、受け取れる金利の利率が下がる可能性があります。ほとんどの定期預金は0.3%以下のため、100万円を預けても数千円のリターンしかありません。

NISAを利用した投資(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)

教育資金を効率的に貯めたい方には、税制優遇制度である「NISA(ニーサ)」を利用する方法もあります。NISAは通常の投資で発生する利益に対して課税される20.315%の税金を非課税にできるため、手元の資金が残りやすくなります。ただし、株式投資などによる損失と所得を相殺して、所得を減らすことで税金を減らす損益通算が使えないというデメリットがあります。

また、NISAで投資できる株式や投資信託などには損失のリスクが伴っているため、リスクを理解した上で投資を始めましょう。

教育ローンや奨学金

教育ローン・奨学金を利用する家庭は少なくありませんが、これらは借金に該当するため、「できるだけ避けたい」と考えている方が多いでしょう。急な出費などが発生した場合は検討余地がありますが、長期にわたって返済を続けていると利子の支払いが負担になるので返済計画は立てておく必要があります。

教育資金を貯める方法は視野を広げて考えよう

学資保険は返戻率が低い商品ですが、教育資金を積み立てる方法としては効果的です。節税面のメリットもあるため、うまく利用すれば手元に資金が残りやすくなります。

ただし、学資保険以外にも選択肢はあるので、資産運用の方法は広い視野で考えることが大切です。本記事の内容を参考にしながら、各ご家庭の状況に合った資産運用を検討してみてください。

※本記事は資産運用に関わる基礎知識を解説することを目的としており、資産運用を推奨するものではありません。

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