テレビで毎年恒例の芸能人格付け番組にて、GACKT氏の「知識と経験は誰からも奪われない」という発言が話題になりました。変化の激しい現代社会において、お金と時間を投じるべきは、まさにこの領域だともいえそうです。今回は、知識と経験を得るためのお金と時間の投資先について解説します。
GACKT氏が展開した「知識と経験が誰にも奪われることない一番の財産」という持論が話題になっています。SNSやインターネットでは、「名言すぎる」「座右の銘にしたい」といった声がありました。
確かに、知識や経験はなにものにも勝る財産といえる側面があります。
お金や不動産などの現物資産は、盗難や災害等で失われる可能性があります。金融資産は、株価や為替レートの変動、インフレによって価値を持たなくなるかもしれません。一流企業の会社員という立場や築いた人脈も、絶対に失われないとは言い切れないものです。
しかし、自分が身につけた知識と経験だけは、自分を裏切りません。
富裕層ほど、じつはこのことを理解しているのです。そのため、子どもの教育には大金をつぎ込みます。現物資産や金融資産には高額な相続税が課されますが、知識や経験に対しては、当然税金は発生しません。
これからの時代を生き抜くうえで、自分のお金や時間を投じる対象として、知識や経験に目を向けてみましょう。
では具体的に、知識と経験に投資したいと思った時、どんな方法があるでしょうか。
まず知識に関しては、書籍を買ったり、セミナーや習い事に足を運んだり、大学院に通ったりといった選択肢があります。経験に関しては、旅行やボランティア活動への参加、新しい趣味への挑戦などが挙げられます。
これらはお金のみならず時間の投資も必要とします。さらには継続した投資により価値の高まるものです。定量的にみると意外に大きな投資が必要となることは理解しておく必要があります。
そして、投資に対するリターンを算出しにくいのも「知識と経験」への投資の特徴の1つといえるでしょう。そのため、費用対効果は常に意識することが大切です。自分をどれだけ高められるのか、短期的または中長期的な視点で吟味することも、この手の投資ならではの醍醐味といえるかもしれません。
「知識と経験」への投資においてもう1つ考えたい点は、その年齢に対するバランス感覚です。
たとえば、若いうちほど知識や経験に投資することで期待できるリターンは高まります。自分の適性を決め打ちする必要はないため、さまざまな分野に分散投資するのもいいでしょう。一方、年を重ねて自分の方向性がある程度見えてからは、強みを絞った分野に集中投資した方がいいかもしれません。
誰からも奪われない「知識と経験」という資産。ここへの投資を考えるとき、年齢や期待するリターンについて、人生全体を見通して考え、バランスを意識することが大切です。