投資信託にはインデックスファンドとアクティブファンドの2種類ありますが、値動きが分かりやすく、初心者にとっても利用しやすいのがインデックスファンドと言われています。しかし投資信託に詳しくない人にとっては、「そもそもインデックスファンドとは何か」という疑問を持たれるのではないでしょうか。
そこで今回は投資信託のインデックスファンドとは何か、
メリットとデメリットは何か、について詳しく解説しましょう。
目次
投資信託のインデックスファンドとは、日経平均株価や東証株価指数など特定のインデックス(指数)と連動するように運用されるファンドのことです。MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)-KOKUSAIインデックスや、米国株価指数のダウ平均など、海外の指数が対象となる場合もあります。
インデックス(指数)とは市場における「物差し」のことで、ある時点における市場の価格を基準とし、その後の値動きを基準からの増減で表す数値を指します。市場では常に売買が行われており、時間経過とともに価格は変動します。特に株式市場の場合、価格は短時間で刻々と変化するため、市場全体もしくは特定の銘柄グループの株価を1つの指数として表すことで、価格変動の傾向を捉えやすくなるのです。
インデックスファンドは特定のインデックスと同じ値動きをするように運用されますが、これとは別に「アクティブファンド」というタイプもあります。これはファンドマネジャーが投資先の銘柄を決め、事前に定められたベンチマークを越えることを目指して運用されるファンドです。
しかしアクティブファンドの場合、リスクの取り方や銘柄の選び方などは運用担当者によって変わってきます。そのため、知識が少ない投資初心者は、アクティブファンドよりも値動きが分かりやすいインデックスファンドを選ぶのが無難でしょう。
投資信託のインデックスファンドにおける最大のメリットは、商品設計がシンプルで、投資の成果を把握しやすいという点にあります。前述の通り日経平均株価、東証株価指数などの動きと連動することを目指して運用されるので、初心者でも値動きを捉えやすいです。
また、リスクを分散できるという点も利点として挙げられます。インデックスファンドに投資すれば、インデックスを構成する各種銘柄群に分散して投資することになるので、リスクを低く抑えることができます。
さらに投資信託のインデックスファンドは、信託報酬などの運用コストが低めに設定されています。そのため、長期投資を行う際に有利です。
以上の「シンプル」「リスク分散」「低コスト」の3点は、インデックスファンドの三大メリットと言えるでしょう。
株式や債券など複数の金融資産に分散投資するタイプの投資信託のことをバランスファンドと言います。投資先を分けることでリスクの分散を図ることができるので、投資信託の初心者でも大きな損失を避けやすいのが特徴です。
例えば「4資産均等型」や「6資産均等型」など、複数の資産に均等な割合で投資するファンドであれば、リスク分散のあり方が分かりやすいと言えます。たとえ1つの資産の運用で損失が出るような状況になっても、他の資産での運用成果でその損失を補えるので、総体としての損失が出にくいわけです。
インデックスファンドは特定の指数と連動するように運用されるファンドですが、実際のところ、ベンチマークとなる日経平均株価、東証株価指数などの指数は、概ね個別株などよりも変動が少ないケースが多く、大きく上昇する個別株があった場合、それよりもリターンが劣る傾向があります。
ただし、同じインデックスファンドでも、何倍もの変動率で値動きが上下するレバレッジ・インデックスの指数に連動するタイプのファンドもあるので、短期のリターンを目指したい場合は検討するとよいでしょう。しかしこの場合、リターンだけでなく損失も大きくなる可能性が出てくるので、リスク管理が重要です。
投資信託のインデックスファンドは証券会社への信託報酬が発生します。インデックスの場合は比較的信託報酬は安めですが、ゼロではありません。
また、信託報酬のほかに販売手数料などが別途発生することもあります。インデックスファンドを選ぶときは、証券会社が取り扱っている商品を一通りチェックし、信託報酬や各種手数料の額をチェックしておきましょう。
投資信託は元本が保証されているわけではありません。それはインデックスファンドも同様です。購入額よりも売却額が低くなる恐れもあるので、手持ちの資金をすべて投入するのではなく、余裕を持って投資するのが望ましいです。
投資信託のインデックスファンドは、日経平均株価や東証株価指数など特定の指数に連動するように運用されます。値動きが分かりやすい、リスクが少ない、コストが安いなどのメリットがある一方で、短期間でのリターンが得にくい、運用コストがゼロではない、元本保証されない、という点には注意が必要です。
実際にインデックスファンドを選ぶときは、メリットだけでなく予想されるデメリットも踏まえて、自分に合った商品を選ぶのが合理的と言えます。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。