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ESG投資をリードする「グリーン・イノベーション」 注目のプロジェクトは?

環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に焦点を当てたESG投資への関心が高まる中、気候変動など環境問題への取り組みに貢献する「グリーン・イノベーション(Green Innovation)」が続々と生まれています。

ESG投資とグリーン・イノベーション

地球温暖化や所得格差、人口増加、超高齢化社会、食品ロスなど、地球の存続を揺るがす問題を解決する上で、ESG投資は非常に重要な課題です。近年、企業はESGを意識した経営方針を打ち出し、投資家や消費者は企業のESG方針を評価の判断材料にするという潮流が強まっています。

エコ・イノベーション(Eco Innovation)とも称されるグリーン・イノベーションは、社会が直面しているさまざまな課題の中でも、特に気候変動など環境問題の解決に役立つ革新的な技術やプロジェクトのことです。

イノベーションを通して、環境への悪影響を減らすと同時に環境への負荷に対する回復力を高め、天然資源を効率的かつ責任を持って使用することにより、持続可能な社会に向かって前進することを目的としています。

世界規模での取り組みが拡大

日本を含む世界中の政治家や研究者、各産業のキーパーソンが参加する「Green Innovation Summit」、世界中のイベントやフェスティバルをより環境に優しく持続的なものへと移行させるためのカンファレンス「Green Events & Innovations conference(GEI)」などのイベントから、EU委員会が実施する「Eco-Innovation Action Plan」といったグリーン・イノベーションの支援策まで、世界規模での取り組みが拡大しています。

グリーン・イノベーションは今後さらにESGの取り組みを加速させ、多様性と包括性のある社会実現に向け、国連が定めるSDGs(持続可能な開発目標)を達成する上で、欠かせない要素なのです。

期待が高まる3つのグリーン・イノベーション

さまざまなグリーン・イノベーションが生まれる中、特に注目を集めているユニークな事例が以下の5つです。

1. バクテリアが建物を自己修復する「生きた建築資材」

コロラド大学ボルダー校のウィル・スルバルジ助教授が開発を進める生きた建築資材「Living building materials(LBMs)」は、砂とゼラチンベースのヒドロゲルにシネココッカスバクテリア(海洋環境に生息する単細胞シアノ・バクテリア)を加えたものです。型に入れて固め、レンガのような形にして使用します。

適切な条件下で炭酸ガスを吸収して成長し、石灰岩の主成分である炭酸カルシウムを生成するというシネココッカスバクテリアの特性を活かし、建物の亀裂を自己修復したり、空気中の二酸化炭素を吸収したりする資材として利用する試みです。

さらに驚くことに、LBMsレンガを2つに割って放置すると、各断片が複製し新たなLBMsレンガを作り出すことも明らかになっています。

世界の年間二酸化炭素排出量のほぼ6%が、道路や超高層ビルなどの構造物に必要なセメントとコンクリートから発生しているという事実を考慮すると、LBMsのような環境に優しい資材が実用化されることで、「環境に優しい持続可能な建物」が実現するでしょう。

2. 都市型農業の進化版「スマート・フローティング・ファーム」

スペイン在住の建築家ハビエル・ポンス氏が設計したスマート・フローティング・ファーム(SFF)は、その名の通り「海上に浮かぶ農園」です。

近年、屋上菜園や屋内での水耕栽培といった都市型農業が脚光を浴びていますが、都市型農業のためのスペースは限られています。

ポンス氏のプロジェクトは、地上より遥かに広大な海というスペースとクリーンエネルギーを使用して、地元や近郊で生鮮食品を生産することで、都会における食糧リスクの問題を緩和すると同時に、流通ルートの透明化を図るという「目からウロコ」のアイデアです。

現在はソーラーパワーと水耕栽培、養殖用の3つのプラントがあり、2017年にはスペインのイノベーションアワード「Pascual Startup」を受賞しています。

3. 食品ロスを減らす「スマートフード・ラベル」

食品ラベルに記載されている賞味期限(品質が変わらずおいしく食べることができる期限)や消費期限(腐敗などが起こらず安全に食べられる期限)が過ぎてしまったため、「勿体ないけれど捨ててしまった」という経験は、だれにでもあるのではないでしょうか。

農林水産省が2019年に公表した食品ロスの量の推計結果からは、日本の食品ロス量年間643万トンのうち11%は賞味期限切れ・消費期限切れだったことが明らかになっています。

しかし天然資源防護協議会(NRDC)やハーバード大学の報告によると、製造業者は通常、研究所のテストなどの方法を使用してこれらの期限を設定しており、万が一に備えて期限を前倒しにしているケースも指摘されています。

このような説が事実であれば、本当はまだ消費できるはずの食品を、廃棄処分してしまっているかもしれません。

また購入後の保管の仕方が悪かった場合、記載されている期限より早く食べ物が痛んでしまうこともあるため、「日付」に頼らない、さらに精密度の高いラベルを求める声が高まっています。

「スマートフード・ラベル」は日付を表示する代わりに、細菌が増殖し始めたことを検出すると、ラベルの色や手触りを変化させて、食品の安全性と鮮度を消費者に知らせます。

次世代のエンジニアを育成する「ジェームズ・ダイソン・アワード」を獲得した「BUMP MARK」は、ラベルの手触りを変化させることで、視覚障害者も利用できる画期的なラベルを開発しました。

4層構造(プラスティック、ゼラチン、凸凹シート、プラスティックフィルム)のシートの2層目にあるゼラチンが、保管されている場所の温度や日光、酸素量などに反応して徐々に柔らかくなり、ラベルに触った時に3層目の凸凹が感じられるようになるという仕組みです。

消費者は賞味期限切れ・消費期限切れをより正確に知ることで、食品ロスの減少に貢献できるでしょう。

環境保護への意識を高め、ESG投資の未来予測につなげる

環境問題は国家から企業、個人までが一丸となった取り組みが不可欠な重要課題です。最新のグリーン・イノベーション情報を収集することで、消費者として環境保護への意識を高めるとともに、ESG投資の未来を予測する指針として活用してみてはいかがでしょうか。

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