大切な子どもには好きなことをやらせたいと思う一方、どういった習い事をさせるかは親として悩みどころでしょう。ここでは習い事を「投資」の観点で見た際には、どのような習い事が良いのかを紹介します。
習い事だけに限らず、大学卒業までの教育費はじめ、子育てには多大な費用がかかることは事実です。
ある調査によれば、東京大学、京都大学出身者の平均年収が高いというデータが示されており、出身大学による年収格差が存在する可能性も否定できません。2019年の東京大学入学生の出身高校を見ると、上位10校のうち9校が私立、1校が国立となっており、私立出身が有利な状況になっています。子どもの教育費に掛かる費用を見てみると、幼稚園から大学まで公立の場合の教育費は約1,000万円なのに対し、すべて私立の場合は約2,500万円と、約2.5倍の差があります。
「お金と教育」は密接に関わっており、子育てにかかった費用を「コスト」、子どもの年収を「リターン」と考えると、子育てというのは最大の投資といえるかもしれません。
では東大生は、幼少時にどのような習い事をしていたのでしょうか。
2015年に東大生向けにとったアンケート調査によると、東大生の約65%は、小学生時代から学習塾・進学塾に通っていたという結果が出ています。逆に言えば、約1/3の東大生は、小学生の時は塾には入っていなかったのです。
一方、塾以外の習い事で見ると、最も多いのは水泳で、こちらも約65%の東大生が小学校時代に習っていたと回答しています。水泳は泳ぐ能力をつける以外にも、筋持久力や体力をつけるのに最適だと言われています。さらには、空間認識能力や集中力をつけることにも役立つと言われており、大学受験にも役にたっているのかもしれません。
また水泳に次いで、約半数の学生が楽器の習い事をしていたと回答しています。音楽を子どものうちに習わせることについては、脳の発達の面でもよいとされており、研究によると、音楽と言語の学習、および記憶力には強い相関があるといわれており、音楽プログラムに参加した子どもは、参加しなかった子どもに比べて記憶力が高くなったという研究結果があるほどです。楽器の習い事をしていたことで、脳がよく発達し、学力の向上につながるケースもあるのでしょう。
では、費用対効果という面で習い事を考えると、どの習い事が、費用対効果が高いでしょうか。
学習塾は、個人経営から大手の学習塾、中学受験塾まで、料金形態は様々です。小学6年生ともなると、東大への合格率の高い私・国立中学への合格を目指す中学受験塾であれば、年間で4教科100万円程度が平均額のようです。一方、公文式のような補習塾を利用する場合は、月1~2万円程度で収まるケースもあります。
水泳の場合は週1回で月6,000~8,000円程度、ピアノも週1回の場合は同じくらいの費用がかかることが多いようです。学習塾に比べて、直接学力を向上させるという効果はないものの、東大生の多くがやっていたことに加え、水泳の場合は体力がつく、ピアノの場合は大人になってからの趣味としても役に立つということを考えると、費用対効果が高い習い事と言えるかもしれません。
子どもの成長のために、習い事をさせようと考える親は多いでしょう。もし、何を習わせようか悩んでいるのであれば、水泳やピアノを検討してもいいかもしれませんね。