資産形成の進め方は、年齢や収入、独身か既婚かなど、状況によって違います。今回はそうした前提を踏まえつつ、私が20代の頃に実際に取り組んできた経験をもとにお話しします。
資産形成では「資産1,000万円」を目指す人も多いですが、その前に「100万円の壁」「500万円の壁」があります。
これらの壁を超えるためには、段階ごとに必要な条件をクリアしていくことが大切です。
まず「100万円の壁」は、毎月の収支を黒字化することが前提になります。突破できない人は浪費が多く、コンビニ中心の買い物や外食などで支出が膨らみ、貯蓄が増えない傾向があります。改善には家計簿で支出を見える化することが有効です。
次の「500万円の壁」に挑む人は、すでに黒字家計でコツコツ貯められるタイプが多い一方、大きな出費がネックになります。ブランド品や車の買い替えといった非日常の支出が続くと、500万円に届きません。
最後の「1,000万円の壁」は、100万円・500万円を超えてきた人なら、理論的にはだれでも到達可能です。ただし、マイホームの頭金や子どもの教育費など、ライフイベントの影響で達成が難しくなるケースもあります。
とはいえ、どの資産形成の壁でも重要なのは「支出を最適化し、毎月黒字を続けること」です。とくに1,000万円の壁までは投資の重要性はそれほど高くなく、貯金を続けるだけでも到達は難しくありません。ただし、投資の力を駆使すると「より容易に」達成は可能です。
先述のように資産1,000万円は、「毎月の収支を黒字化する」「大きな浪費を避ける」といった基本的な条件を満たせば、決して達成が難しい目標ではありません。ただし、「投資の複利」「時間」を味方につけることができれば、ある程度の再現性を持って容易に到達できるようになります。
たとえば、毎月3万円を積み立て投資し、インデックス投資の利回りとして現実的な5%でシミュレーションすると、18年目には1,000万円に到達します。
また、積立額を毎月5万円に増やせば13年で到達可能です。つまり、15年ほどの積立期間を確保できれば、1,000万円は決して難しくないのです。
仮に30歳の方が積立投資を始めた場合、40代から50代で1,000万円を超える資産を築くことができます。
ただし、1,000万円に至る道のりの注意点としては、シミュレーションでは右肩上がりでも、実際の資産形成では、暴落などで一時的に資産が減ることもあるということです。
また、エクセルで理想的なシミュレーションを作るとやる気が出ますが、現実の積立投資は地道な作業です。資産の増え方も緩やかで、「本当に増えているのか?」と感じやすく、挫折の原因になります。
そのような挫折しそうになった時には、後述の「1,000万円を超えた新しいステージ」が待っている、ということを楽しみに積立を継続していただければと思います。
私自身、資産が1,000万円を超えた頃から強く実感したことがあります。それは、資産1,000万円を越えると「資産形成における投資リターンの影響」が一気に大きくなるということです。
多くのサラリーマンにとって、資産形成の原資は「給料−生活費」で生まれる毎月の余剰資金です。たとえば月収30万円・支出25万円なら、積立額は月5万円ほどになります。
資産が50〜100万円ほどの時期は、5万円の入金が資産全体に与える影響が大きく、順調に増える実感も得やすいです。しかし、1,000万円を超えると状況は一変します。毎月5万円を入れても、それ以上に「相場変動の影響」のほうが大きくなるためです。
例えば1,000万円の状態で株価が1%動けば、資産は1日で±10万円動きます。特に相場が好調な場合には、1ヶ月で20万〜30万円増えることもあります。まさに「お金がお金を生む」ステージに到達します。
このように、1,000万円は資産形成に勢いがつくかどうかの「大きな境界線」です。実際に私自身も、1,000万円を超えたあたりから相場環境の追い風もあり、資産が一気に伸びていきました。皆さんにもぜひこのような体験をしていただきたいと思います。
ただし注意したいのは、1,000万円を達成した後にモチベーションが落ちる人も多い点です。次の目標が急に「2,000万円」という大きな数字になり、距離を感じてしまうためです。
そんなときは、資産額だけに目標を置かず、別の指標を設定することをおすすめします。例えば、
といった「キャッシュフロー」に注目する方法です。
資産額以外の指標を持つことで、投資のモチベーションが維持しやすくなり、長期の資産形成も続けやすくなるでしょう。
※本記事における試算はあくまでシミュレーションであり、将来の成果を保証するものではありません。実際の投資では信託報酬・売買手数料・税金等のコストが発生する点にもご留意ください。
※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。
※本稿は著者の見解に基づくものであり、Wealth Roadの運営会社の見解を示すものではありません。