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まずはここから! 毎月5,000円を投資してみる―10年後、20年後の資産は?

まずはここから! 毎月5,000円を投資してみる―10年後、20年後の資産は?

将来のために資産形成が必要だと感じつつも、お金が減るかもしれないという抵抗感で最初の一歩を踏み出せていない人もいらっしゃるかもしれません。そこで、まず毎月5,000円の積立投資からはじめてみませんか?。

本記事では、毎月5,000円ずつ積立投資をした場合、10年後、20年後にどうなるかのシミュレーションしてみましょう。

毎月5,000円を貯めると将来いくらになる?

そもそも毎月5,000円ずつ貯蓄した場合、5年後、10年後などにいくら貯まると思いますか?

近年は、物価が上がっているため、「毎月の支出が大きく増えた」という人もいるかもしれませんが、毎月5,000円を貯蓄に回すだけで、年間6万円が貯まります。

・1年後:5,000円×12ヵ月=6万円
・5年後:5,000円×12ヵ月×5年=30万円
・10年後:5,000円×12ヵ月×10年=60万円
・20年後:5,000円×12ヵ月×20年=120万円

銀行の普通預金に毎月5,000円ずつ預けると?

先に紹介したのは、利息を考慮しない元本のみの金額です。実際に毎月5,000円貯めていく場合は、銀行口座に預けるのが一般的でしょう。そこで金利年0.2%(※)の普通預金に毎月5,000円ずつ預けるものとしてシミュレーションしてみます。

※2025年3月4日時点のメガバンクの金利

積立期間 元金 利息(※) 元利合計額(※)
1年後 6万円 60円 6万60円
5年後 30万円 1500円 30万1500円
10年後 60万円 6021円 60万6021円
20年後 120万円 2万4230円 122万4230円

出所:金融広報中央委員会(知るぽると)「積立合計額シミュレーション」を使用してシミュレーション(半年複利計算)
※税引き前の金額

10~20年という長いスパンで見ると預金金利も変動する可能性があります。例えば20年前の2005年3月末における普通預金金利相場は0.001%、10年前の2015年3月末は0.02%でした。2025年3月時点で預金金利は、上昇傾向にありますが依然として低金利が続いている状況です。

毎月5,000円ずつ投資すると?

ここからは、毎月5,000円ずつ投資するケースを考えてみましょう。投資は、預貯金と違って元本が保証されていませんが、一般的に預貯金よりも高い利回りを期待できるといわれています。実際に何%で運用できるかは、投資する金融商品や経済情勢、投資タイミングなどで変わりますが、ここでは平均利回りを3%、5%、10%の3つのパターンでシミュレーションしてみます。

積立期間 元金 元利合計額(※)
3% 5% 10%
1年後 6万円 6万973円 6万1624円 6万3264円
5年後 30万円 32万3529円 34万12円 38万4104円
10年後 60万円 69万7210円 76万9875円 98万3400円
20年後 120万円 162万993円 198万902円 327万6784円

出所:金融広報中央委員会(知るぽると)「積立合計額シミュレーション」を使用してシミュレーション(1年複利計算)
※税引き前の金額

預貯金に比べて利回りが高い分、お金の増え方が大きいことがうかがえます。とはいえ1年後に増える額は、1000~3000円程度なので「わざわざ投資をするほどでもない」と考える人もいるかもしれません。しかし期間が長くなるにつれて、お金の増え方が全然違ってくることがわかるでしょう。

実際に投資する場合は、利回りだけではなくさまざまなリスクを確認してから行うことが大切ですが、資産形成は預貯金よりも投資のほうが効率的に進みます。

毎月5,000円ずつ投資するとは?

実際に毎月5,000円ずつ投資しようとしても、その都度5,000円で買える金融商品を探して購入することは手間がかかるため、現実的ではありません。しかし毎月同じ金融商品を5,000円分ずつ定期的に購入していくことは可能です。このような投資法を「積立投資」といいます。最初に商品を選び、積立日を設定すれば、自動的に毎月5,000円分ずつ購入されます。

毎月5,000円ずつ投資できる商品は?

毎月5,000円の積立投資に適した商品には、以下のようなものがあります。それぞれの特徴を理解したうえで選びましょう。

投資信託

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を、資産運用の専門家が国内外の株式や債券、不動産など、さまざまな資産に分散投資・運用する金融商品です。運用成果によって投資信託の基準価額が変動し、投資家は売却益や分配金に期待できます。

専門家による運用に加え、一つの商品で多種多様な資産に分散投資されているため比較的リスクが低い点がメリットで、取り組みやすいでしょう。ただし、投資信託には豊富な種類があり、中にはリスクが高めのものもあるため、選定する際は注意が必要です。また、信託報酬が高めの投資信託もあるため、手数料のかかり方をしっかりと確認しておきましょう。

保険

保険商品のなかには「変額保険」という保障と資産運用機能をあわせ持つタイプのものがあります。これは、払い込んだ保険料が株式や債券などを中心とした特別勘定で運用され、その運用実績に応じて受け取る保険金や解約返戻金の額が増減する仕組みです。最低保険料は、保険会社によって異なりますが、毎月5,000円から加入できるものもあります。

なお、死亡時の保険金額は契約時に定める基本保険金額が保証されるため、万一の際には安心です。しかし、死亡時の保険金額が同じであれば、変額保険は定額タイプの保険に比べて保険料が高くなる傾向があるため、死亡保障を目的とする場合は注意しましょう。

ゴールドなどの現物資産

ゴールドやシルバー、プラチナなどの現物資産を毎月の積立額で購入できる分だけ購入し、積み立てていくことも可能です。最低積立額は金融機関によって異なりますが、1000円程度から積み立てできるところもあります。インフレが起こると現預金は価値が目減りしてしまいますが、現物資産はインフレに強いといわれており、無価値にはならない点がメリットです。毎月の購入時に手数料がかかる場合があるため、申込前にきちんと確認しておきましょう。

まずは投資信託から始めてみては?

5,000円で積立投資をする場合、まずは投資信託から検討してみてはいかがでしょうか。投資信託は「選択肢が多い」「NISAやiDeCoの税優遇制度を活用できる」「金融機関によってはクレカ積立もできる」などメリットが多くあります。

さまざまなファンドから選べる

投資信託は、例えば「主に国内株式に投資しているファンド」「国内債券を中心に投資しているファンド」「外国の株式を中心にしているファンド」など選択肢が豊富です。それぞれにリスクとリターンの割合が異なるため、資産形成の目標に合わせて選びやすいメリットがあります。

また、最低積立額は金融機関によって異なるものの100円から積み立てできるところも多いため、5,000円の範囲で複数のファンドを積み立てることも可能です。複数のファンドを積み立てることで分散投資効果もより高まるでしょう。

NISAやiDeCoを活用できる

投資信託での積立投資は、NISAやiDeCoの税優遇制度を活用できます。特定口座(源泉徴収なし)で投資(積立投資を含む)した場合は、利益に対して20.315%(復興特別所得税を含む)の税金が差し引かれますが、NISAとiDeCoの制度を利用した場合の利益は非課税です。

またNISAのつみたて投資枠の対象になっている投資信託は、販売手数料がかからない(ノーロード)ものに限定されているため、税金と手数料を合わせて引かれる額が軽減される分、資産が増えやすくなります。

iDeCoは、手数料がかかりますが、掛金が全額所得控除となり所得税や住民税を軽減できる効果があります。

クレカ積立が可能な場合も

投資信託での積立投資は、毎月の積立額が銀行口座や証券口座から自動振替されるのが一般的です。しかし金融機関によっては、クレジットカードで決済(積立購入)できるところもあります。クレジットカード決済で積立投資する方法は、一般的に「クレカ積立」と呼ばれています。

積立投資の仕組み自体はなんら変わりませんが、クレカ積立ではクレジットカードのポイントが貯まるメリットがあります。

ただし、クレジットカードの請求日に支払いができないなど、クレジットカード契約にトラブルがあると積み立てを続けられなくなる可能性があるため、注意しましょう。

毎月5,000円の積立投資は継続も大切(まとめ)

毎月5,000円ずつでもコツコツと貯めていくことで、「塵も積もれば山となる」ようにお金は貯まっていきます。さらに、投資の力を借りることで、より効率的に資産を増やすことが期待できるでしょう。将来のさまざまなライフイベントに向けて資金準備が必要だと考えている人は、毎月5,000円からでも積立投資を始めてみてはいかがでしょうか。

積立投資を続けるうちに投資に慣れてきたら、利回りの異なる商品やファンドで、別途5,000円の積み立てをはじめ、積立額・利回り・積立期間のアップに取り組んでみましょう。

※本記事は投資に関わる基礎知識を解説することを目的としており、投資を推奨するものではありません。

文・續恵美子(CFP)

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