新型コロナの感染拡大が長引く中、リモートワークの普及や外出自粛の影響で自宅時間を楽しむ人が増え、投資への関心も高まっています。少額の資金で始められ、信用リスクが低く、投資のプロに運用を任せられる投資信託は、幅広い層に人気です。
今回は投資信託を選ぶ際の参考となるよう、世界最大級の投資信託評価会社であるモーニングスター社が発表した2021年1月末のリターンランキングで上位に入った5つの投資信託を、最近の運用成績や特徴とともにご紹介します。
目次
国内・国外株式市場動向
1月の米国株式市場は、浮き沈みの激しい展開となりました。ワクチンの普及に加え、3回目となるコロナ対策現金給付など追加経済対策が決定したことで、個人消費拡大への期待感が高まりました。
しかし、NYダウ平均やS&P500指数、ナスダック総合指数が史上最高値を更新する一方で、利上げの可能性や労働市場の回復が足踏み状態であることが懸念材料となり、変動性が高まりました。
2020年12月にマイナスに転じたユーロ圏鉱工業生産は、1月に入り市場予想を上回る前月比2.3%増に回復。しかし前年同月比は1.9%減であり、パンデミック以前の水準へ回復するには時間を要するでしょう。また、変異種の感染拡大に伴う再ロックダウン(都市封鎖)から、サービス産業は再び低迷。ユーロ圏総合PMIは前月から1.6減の47.5と大幅に低下しました。
ストックス欧州 600 指数は、米経済対策への期待感や原油価格の上昇を受け、前半に年初来高値を更新したものの、後半は世界的なインフレ警戒から下落に転じました。
国内では1月に緊急事態宣言が再発令されたにも関わらず、ワクチン普及や米追加経済対策への期待感など、世界景気の見通しに対する楽観的な空気が漂い、日経平均株価が約30年ぶりの高値(2万8,822円)をつけました。
1月のパフォーマンスが良かった投資信託5選
純資産10億円以上の投資信託(確定拠出年金、ラップ口座は対象外)を対象とするモーニングスターのランキングで、1 月の運用成績トップ5入りを果たしたのは以下の投資信託です。
1位 eMAXIS Neo バーチャルリアリティ
三菱UFJ国際が運用する追加型投信です。世界各国の半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハードウェア・機器などの上場銘柄(預託証書を含む)で構成され、S&P Kenshoバーチャル・リアリティ指数に連動する投資成果を目指しています。
モーニングスターランキング:1位 過去1ヵ月のリターン:37.71%
2位 eMAXIS Neo ナノテクノロジー
三菱UFJ国際が運用する追加型投信です。世界各国の医薬品・バイオテクノライフや半導体関連企業などの上場銘柄(預託証書を含む)で構成され、S&P Kenshoナノテクノロジー指数に連動する投資成果を目指しています。
モーニングスターランキング:2位 過去1ヵ月のリターン:26.14%
3位 eMAXIS Neo ドローン
三菱UFJ国際が運用する追加型投信です。米国の金融商品取引所に上場している、世界各国のドローン関連企業の上場銘柄(預託証書を含む)で構成され、S&P Kenshoドローン指数に連動する投資成果を目指しています。
モーニングスターランキング:3位 過去1ヵ月のリターン:18.04%
4位 中国H株ブル2倍上場投信
ハンセン中国企業株レバレッジ指数を対象指数とし、株価指数先物取引などのデリバティブ取引を利用して、基準価額の変動率が対象指標の変動率に一致する投資成果を目指しています。
モーニングスターランキング:4位 過去1ヵ月のリターン:17.93%
5位 eMAXIS Neo ウェアラブル
三菱UFJ国際が運用する追加型投信です。世界各国のウェアラブル関連企業の上場銘柄(預託証書を含む)で構成され、S&P Kenshoウェアラブル指数に連動する投資成果を目指しています。
モーニングスターランキング:5位 過去1ヵ月のリターン:16.97%
今後の注目ポイント
経済正常化への期待感に伴い、株高の継続が予想される一方で、コロナバブルに対する警戒感も強まっています。比較的低リスクとされる投資信託ですが、基準価額(投資信託の値段)は市場環境などによって変動するため、常に低リスクというわけではありません。市場が過熱気味の今だからこそ、保有している、あるいは購入を検討している信託の構成銘柄などをチェックし、自分のリスク許容範囲と照らし合わせることが重要です。
世界各国においてワクチン接種が開始され、関連銘柄への関心がさらに高まっていますが、開発・承認競争が激しい分野だけに、収益性が低下する可能性にも注意が必要です。
※上記は参考情報であり、特定ファンドの売買を推奨するものではありません。