新型コロナウイルス感染拡大防止のための「休業要請」で、飲食業界は休業・時間短縮営業を余儀なくされ、売り上げに大きな打撃を受けています。しかし、そんな中でも強い企業があるのをご存じでしょうか。今回は、コロナショックにも強い飲食店の売り上げ実態と共通点を紹介します。
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コロナショックにも負けず、売り上げを拡大する企業
通常ならば3月、4月は年度替わりに伴う歓送迎会などがあり、繁忙期であるはずの飲食業界。しかし新型コロナの影響で、2020年4月の外食全体の売上高は前年同月比約40%減という厳しい状況です(一般社団法人日本フードサービス協会調べ)。そんな中で対前年同月の売り上げを上回っているのがファーストフード各社です。
日本マクドナルドホールディングス株式会社
日本マクドナルドホールディングス株式会社の2020年2月の全店売上高は、前年同月比で115.4%でした。同年3月には100.5%とやや下がるものの、前年より微増。4月には政府による緊急事態宣言が発出されたにもかかわらず、106.7%と順調に推移していることが分かります。
日本KFCホールディングス株式会社
ケンタッキーフライドチキンでおなじみの日本KFCホールディングス株式会社は、2020年2月が前年同月比115.5%、3月は105.7%、4月は120.6%とさらなる好調さを見せました。ちなみに2020年4月には既存店の客単価で前年同月比124%と過去5年のうちでも最高の伸びを達成しています。
株式会社吉野家ホールディングス
牛丼御三家の1社である株式会社吉野家ホールディングスでは2020年2月の売上高が前年同月比100.1%でした。また、同年3月は100.0%、4月が97.6%と減少傾向ながらコロナショックにもなんとか持ちこたえている様子がうかがえます。
コロナショックにも強い!飲食店の共通点は?
今回のコロナショックに強い飲食店を見ると、ファーストフードや牛丼店などテイクアウト可能で一人でも食べられるフーズが多い傾向です。「分け合わない」「箸と箸(手と手)が触れない」などいわゆる新しい生活様式に則った「非接触・飛沫感染防止」への策が功を奏したといえそうです。
また、ドライブスルーを完備している店舗が多く、アプリによる事前予約が可能なことも、テイクアウト需要を拡大させている要因でしょう。Uberなどのデリバリーサービスの積極的な導入もコロナ渦に強い飲食店の見逃せない共通点です。
何に業績が左右されるか見極めることは投資においては大切なポイントです。社会全体が落ち込んでいるときだからこそ、ショックに強い企業の共通点を見定め、投資チャンスを見出すこともできるかもしれません。
*上記は当記事作成時点のものであり、個別銘柄の勧誘あるいは、売買を推奨するものではありません。